IoTのモノづくりを楽しく上手に行う秘訣 「MESH」はテクノロジーの"文房具"だ
「確かに道具を揃えただけで、そこからアイデアを考えるのは、すごく難しいですよね。我々は『MESH』を使ったワークショップを開催することがあるのですが、そこではコップやハンガーといった身近なモノを用意して、『コップにどんな機能がついたら便利になったり楽しくなったりすると思う?』という質問をするところからスタートするんです。モノを起点として、そこに『MESH』で実現できるコト(機能)をつなげてみる、という手順でアイデアをふくらませてもらうわけですね」
技術にとらわれず、モノから発想を始める
たとえば「コップがしゃべったら面白いよね」というアイデアが出たとすれば、コップに傾きを検知するセンサーを取り付け、あらかじめ録音した音声を端末に取り込み、「水を飲む動作でコップが傾いたら、スマートフォンから『飲まないで!』という声がする」といった、ディズニーアニメに出てくるような“しゃべるコップ”が誕生するというわけだ。この他、ワークショップでは振動を検知する「動きタグを」取り付け、しっかりと掃除をすると(振動を感知すると)褒めてくれる塵取りなど、子どもの発想ならではのアイデアグッズが続々誕生したという。
この「モノ」を起点として発想するという考え方、筆者にとってはかなり目からウロコだったんですよね。
「MESH」に限らず、この手のハイテク・ツールを前にすると、どうしてもテクノロジー自体に目が向いてしまい「この技術を使うと何ができるのか?」っていう方向で考えてしまいがちじゃないですか。でも、それでは理解できる技術の範囲でしか発想ができないってことでもあるわけで。「MESH」を前にして、何を作ればよいのかわからなくなってしまったのは、そこに原因があったのかと納得した次第。これ、ITに限らず仕事全般にも通じるものがあるよなぁ。