単純な数字だけの燃費競争はもう意味がない 「ミライース」や「CX-3」が打ち出した新潮流

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燃費について話を戻すと、日本では来年からモード燃費の表示方法が変わる。これまでのJC08モードからWLTCモードという世界統一試験サイクルに移行することになっており、2018年10月以降に表示が義務化される。6月28日に発表されたマツダ「CX-3」のガソリン車は、この燃費モード認可を先行して取得した。

WLTCモードの特徴

WLTCモードの最大の特徴は、市街地、郊外、高速道路の3モードとこれらの平均値、合わせて4つの数字を表示することだろう。CX-3ガソリン車はJC08モードも公表しており、WLTC郊外モードに近い数字になっている。2WDの数字を紹介すると、JC08が17km/L、WLTCは市街地12.2km/L、郊外16.8km/L、高速道路18.0km/L、平均16km/Lとなっている。

マツダ「CX-3」のガソリン車は、この燃費モード認可を先行して取得した(画像はウェブサイトより)

今後は市街地燃費と高速道路燃費が分けて評価されるようになり、個々のユーザーが使用状況に沿った選択をしやすくなる。モードが4つになることで単純な数字競争も減っていくだろう。

国連で WLTPが世界統一技術規則として成立したのは3年前。ミライースの開発者は当然この過程を知っていたはずだ。その結果が燃費据え置きにつながったのかもしれない。これを機に実際の燃費と懸け離れた数字競争に歯止めがかかることを期待したい。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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