単純な数字だけの燃費競争はもう意味がない 「ミライース」や「CX-3」が打ち出した新潮流
実際に新型ミライースに乗ると、開発者が説明していたように、走りが良くなっていた。旧型は低回転のトルクが不足ぎみで遮音性もほどほどであり、つねにエンジンを回して音をキャビンに響かせながらの走りだった。その点、新型はかなり力強くかつ静かに加速するようになった。
乗り心地は固めであり、荒れた路面では揺すられぎみだった。新型は軽量で乗り心地に優れる13インチを新投入したにもかかわらず、試乗車はすべて14インチだったためもある。ただし旧型では高速コーナーで不安を抱くこともあったハンドリングは、安定感が高められていた。
ライバル車スズキ「アルト」の性能は?
アルトと比較すると、加速はアルトのほうが力強く静かだ。上級グレード同士の比較で車両重量がさらに20キログラム軽いこと、CVTに副変速機を内蔵していることなどが効果を発揮しているのだろう。
試乗したアルトのホイール/タイヤは13インチだったので直接の比較にならないかもしれないが、サスペンションは細かいショックは伝えがちなのに大きめの入力はしっとり吸収する。ハンドリングはタイヤが接地している様子が伝わるので安心感が高い。ヨーロッパ車に近い感覚だ。
アルトはデザインもヨーロッパ車的だ。簡潔ながら特徴的なヘッドランプなどで個性を表現している。ミライースも旧型はシンプルで親しみやすいスタイリングだったが、新型は前後のライトまわりが装飾過多という印象を受ける。それでも現状ではミライースのほうが売れているのだから、多くの日本人の嗜好にはミライースのほうが合っているのだろう。
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