加熱式たばこ、3社激突「東京決戦」の行方 アイコス独走、JT、BATは追いつけるのか

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JTは6月29日、銀座に加熱式たばこ「プルーム・テック」の専門店をオープン。カフェやギャラリーも併設された店舗だ(撮影:今井康一)

二兎を追う戦略は通用するのか?

JTとBATは「紙巻きたばこは守り、加熱式たばこで攻める」戦略が共通している。両社はアイコスの背中をとらえられるか。

JTは加熱式たばこの需要予測に失敗。プルーム・テックのカートリッジはカプセル形状のため、製造工程が複雑なこともあだとなった。十分な生産体制を構築できずアイコスに1年以上も後れを取った。7月には都内の販路を拡大するが、街のたばこ販売店100店に限られる。

紙巻きたばこの販路の7割はコンビニだ。アイコスはすでに全国の主要コンビニで売られている。JTは今後本格的にコンビニ販路を開拓するが、「今から売り始めて追いつけるのか」と、JT取引先の幹部は不安を募らせる。

一方のBATはグローをコンビニ含め1万3000店で売る予定だ。ただ、たばこの拡販で重要なのは企業の即売会や、居酒屋などにおけるサンプリング。その際に人員の多さがモノをいう。BATの営業は約500人。1500人超を抱えるPMIに見劣りする。

「加熱式たばこのシェアは今年末に15%、18年には25%に広がる」(JTの佐々木治道専務)。ただし、加熱式たばこの拡大は紙巻きたばこの減少を伴う。JTとBATの二兎を追う戦略には限界がある。加熱式たばこに舵を切ったPMIの独り勝ちが続きそうだ。

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(マーケティング担当、編集者)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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