加熱式たばこ、3社激突「東京決戦」の行方 アイコス独走、JT、BATは追いつけるのか
二兎を追う戦略は通用するのか?
JTとBATは「紙巻きたばこは守り、加熱式たばこで攻める」戦略が共通している。両社はアイコスの背中をとらえられるか。
JTは加熱式たばこの需要予測に失敗。プルーム・テックのカートリッジはカプセル形状のため、製造工程が複雑なこともあだとなった。十分な生産体制を構築できずアイコスに1年以上も後れを取った。7月には都内の販路を拡大するが、街のたばこ販売店100店に限られる。
紙巻きたばこの販路の7割はコンビニだ。アイコスはすでに全国の主要コンビニで売られている。JTは今後本格的にコンビニ販路を開拓するが、「今から売り始めて追いつけるのか」と、JT取引先の幹部は不安を募らせる。
一方のBATはグローをコンビニ含め1万3000店で売る予定だ。ただ、たばこの拡販で重要なのは企業の即売会や、居酒屋などにおけるサンプリング。その際に人員の多さがモノをいう。BATの営業は約500人。1500人超を抱えるPMIに見劣りする。
「加熱式たばこのシェアは今年末に15%、18年には25%に広がる」(JTの佐々木治道専務)。ただし、加熱式たばこの拡大は紙巻きたばこの減少を伴う。JTとBATの二兎を追う戦略には限界がある。加熱式たばこに舵を切ったPMIの独り勝ちが続きそうだ。
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