どれが吸われる?バカ売れ「IQOS」に挑む2強 受動喫煙論争よそに膨らむ加熱式たばこ市場
世界のたばこ市場で争っている、日本たばこ産業(JT)、米フィリップ・モリス・インターナショナル、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)。これら3社による「加熱式たばこ」の三つどもえの闘いが、いよいよ東京でも火蓋を切ろうとしている。
目下のところ、フィリップ・モリスの「IQOS(アイコス)」が2014年11月に名古屋限定で発売、途中延期されたものの、2016年4月からはいち早く全国でも売られ、国内では先行して独走中だ。一方のJTは、2016年3月から福岡県福岡市で「プルーム・テック」を投入したが、販売体制がようやく整ったことから、6月29日(木)に東京でスタート。またBATも、2016年12月から「グロー」を宮城県仙台市で展開、やや遅れて7月3日(月)に東京と大阪で売り出す。
プルーム・テックとグローはまだ全国展開ではないが、首都・東京においては3社が本格的に対決することになる。実際、筆者が都内で複数のたばこ販売店に尋ねても、「まだ案内が来ておらず、現場でもいつ発売するかわからない」という混乱ぶりだ。
すでに本体300万台が売れている現実
現状、日本での加熱式たばこは、IQOSだけですでに本体約300万台が普及し、全喫煙者約2000万人のうちの10%を優に超えた。フィリップ・モリスはスイスの研究所で研究開発を始め、2008年から2014年までに20億ドル以上、今年だけでも10億ドル超の投資を計画している。
加熱式たばこは海外でも急成長しており、英ユーロモニター・インターナショナルによると、世界の市場は、2014年に70億ドル、2020年に160億ドル、2030年には510億ドルまで拡大する見込み。喫煙率を見ると、日本では1989年には50%だったのが、男性の喫煙率が今年ついに30%を切り、増加していた女性も10%を割り込んだ。こうした傾向が加熱式たばこにとって、追い風となるか逆風になるかだ。
さて加熱式たばこは、その仕組みがIQOS、プルーム・テック、グローでそれぞれ異なっている。これも勝敗に関係すると思うので、もう少し解説してみたい。
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