どれが吸われる?バカ売れ「IQOS」に挑む2強

受動喫煙論争よそに膨らむ加熱式たばこ市場

現在快走するIQOSは、本体のホルダーに「ヒートスティック」という専用たばこを挿すと、加熱板により温度が上昇、タバコ葉に含ませたグリセリンなどが気化し、水蒸気を吸い込む方式。筆者の感想では、3者の味を比べると、従来の紙巻きたばこの味に最も近い。ホルダーへはスマートフォンのようにバッテリーで充電する。

一方、JTのプルーム・テックは、「たばこベイパー」と呼ぶテクノロジーを使い、本体のカートリッジにたばこ葉が詰まった専用のたばこカプセルをセットして味わう。またBATのグローは、本体とバッテリーを一体化、専用たばこを直接挿して加熱し吸うもので、見た目がたばこっぽくないのが特徴である。各製品ともに一長一短あるのが興味深い。

欧州勢のBATは最後発で「グロー」を売り出す(写真:BAT提供)

それにしてもなぜ日本で、IQOSがここまで独り勝ちできたのか。インターネットのオークション市場では、IQOSの人気が今もけっこう高い。これは加熱式たばこの先行ランナーとして、既存喫煙者の潜在ニーズをうまく取り込んだためと思われる。

第1に、たばこの煙で人に迷惑をかけたくないがニコチンを確実に摂取できること、第2に、喫煙者のイメージが悪くなりたばこを吸う姿がかっこ悪いという不安を解消してくれること、第3に、たばこは健康に悪いがこれならかなりマシになっているかもしれないと思わせることだ。これらの需要を見事に吸い上げ、喫煙者の間ではむしろ、”おしゃれアイテム”化と言ってもいいほどヒットしていると、筆者は感じる。かつてこれほどの短期間でシェアを獲得したたばこ商品はない。

受動喫煙防止対策は業界の最大関心

銘柄の種類はIQOSが6、プルーム・テックとグローが3。IQOSは現在、「マールボロ」ブランドとして、レギュラー、バランスドレギュラー、メンソール、ミント、スムースレギュラー、パープルメンソールを擁する。ほかに欧米では「パーラメント」ブランドも販売している。一方、プルーム・テックは「メビウス」ブランドで、レギュラー、クーラーグリーン、クーラーパープル。またグローは、「ケント」ブランドにて、ブライトタバコ、フレッシュミックス、インテンスリーフレッシュの3つだ。

そして加熱式たばこを語るうえで、何より見逃せないのが、昨今の受動喫煙防止対策の動きである。

2020年開催の東京五輪・パラリンピックに照準を合わせ、先の国会では受動喫煙防止を強化する健康増進法改正案の国会提出が目指されたが、結局先送りされた。推進したい厚生労働省と規制に慎重な自民党で意見が一致しなかったからだ。結局、火を使わず煙もほとんど出ない加熱式たばこが規制対象から外れるか外れないか、飲食店などで吸えるのか吸えないのか、メインの議題には上らなかった。

とはいえ、スモーカーはもちろん、たばこ業界にとっては今後の売れ行き動向を左右する重大事項となるため、次期国会の議論の推移は大いに気になるところだろう。

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どん底の2000年代を経て鮮やかなV字回復を果たしたプロレス界の雄。キャラクターの異なるスター選手を複数抱え、観客の4割は女性だ。外国人経営者の下、動画配信や海外興行など攻めの姿勢を見せる。株式上場も視野に入ってきた。