米西海岸でヒカリボヤ大量発生、漁業に支障 円筒形の生物で大きいものは60センチ程度にも

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 6月27日、熱帯海域原産のホヤの一種であるヒカリボヤが今年、米国の南カリフォルニア州からアラスカ州に至る広範囲な太平洋沿岸で大量発生している。科学者は困惑し、漁業関係者は頭を痛めている。提供写真(2017年 ロイター/Hilarie Sorensen/NOAA Fisheries)

[ロサンゼルス 27日 ロイター] - 熱帯海域原産のホヤの一種であるヒカリボヤが今年、米国の南カリフォルニア州からアラスカ州に至る広範囲な太平洋沿岸で大量発生している。科学者は困惑し、漁業関係者は頭を痛めている。

ヒカリボヤは個虫がゼラチン状の皮膜で結合した円筒形の生物で、通常は数センチの長さだが、大きいものは60センチ程度まで成長する。藻類を餌とし、海流に乗って浮遊しながら発光することで知られる。

米海洋大気局(NOAA)によると、2012年にカリフォルニア州の海域で発見されるまで、ヒカリボヤは米西海岸ではほとんど見られなかったが、その後北に向かって徐々に増殖・拡散し、今春爆発的に発生。5月にはコロンビア川沖で行った5分間のトロール調査で6万匹を捕獲したという。さらにアラスカ南東部では、ヒカリボヤの大量発生で漁ができなくなる例があった。

人体には無害だが、オレゴン州でここ数カ月間に数千単位で漁具に絡まるなどの被害があり、漁業に支障が出ている。

科学者らは、大量発生の要因として、カリフォルニア州南部のアシカの座礁の急増など、近年海洋生物に異変をもたらしている太平洋沿岸の海面温度上昇を挙げている。

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