地球温暖化は農業と漁業に何をもたらすのか 環境の変化に合わせた適応策が必要に
近年、地球の平均気温は、年によって下降や停滞はあるものの、おおむね上昇傾向にあると考えられています。これが「地球温暖化」と呼ばれ、平均気温を上げる原因のひとつとされるCO2などの温室効果ガスを、各国で削減しようという動きがあります。
熱帯魚が大阪湾に出現する例も
「本当に地球は温暖化しているのか?」ということについては、さまざまな意見があります。それについて掘り下げることは、今回のテーマとはそぐわないのでやめておきますが、仮に今後も地球の気温が上がり続ければ、生物の生態系も変化していく可能性はあります。現に、国立環境研究所のホームページには、熱帯産の魚が大阪湾に出現したり、南方系の常緑広葉樹の分布が拡大したりしているという報告が記載されています。
それなら、暖かい地方の野菜や水産物が、寒い地方でも収穫できるようになってきてもおかしくありませんよね。はたして、本当にそうなっているのでしょうか。
「地球温暖化と農林水産業」というホームページを運営している農研機構農業環境変動研究センターに聞いてみたところ、「現時点でそういった情報は入手していないので、本当かどうかは何とも言えない。ただし、将来、温暖化が進んだ場合には、作物の栽培適地や魚の分布が変化するとの予測はある」とのことでした。
ただ、農林水産省の「平成27年地球温暖化影響調査レポート」によると、気温の上昇が農業にもある程度影響を及ぼしていることがわかります。たとえば、トマトなどの作物が、開花から収穫の時期の気温が高すぎて実が付きにくくなったり、実がついても割れたりうまく色づかなかったりして、収量が減ってしまう事例が報告されています。
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