就職率でわかる「本当に強い大学」ランキング 法学・経済から外国語・文・理工まで一挙公開

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一方、大学で数学を使う機会が少ない、外国語・国際・教養系や文・人文系を見ると、外国語・国際・教養系で累積就職率90%超は8校のみ。

1位の国際教養大学は、神戸製鋼所や日産自動車など、グローバル企業を中心に就職している。2位の新潟県立大学は、地域づくりの中核を担う人材養成を目標とし、地元の公務員になったり金融機関に就職したりする学生が多い。教養系は卒業後に専門分野を学び直す学生も多いため、国際基督教大学などは上位に入っていない。

文・人文系も90%超の大学は8校。トップは名古屋女子大学岐阜女子大学が続く。4位の三重大学や5位の浜松学院大学など、上位に中部や東海エリアの大学が多いのは、名古屋を中心にした、好調な地域経済の影響もありそうだ。

資格に強い学部系統は高値安定が続く

文系学部以外の状況も見ておこう。理工系の平均就職率は90.5%と高い。製造業以外にも銀行や商社など、幅広い職種が視野に入るのが強みだ。理学部より仕事と結び付きやすい工学系が有利で、工科系の単科大学の富山県立大学がトップ。2位の東北工業大学は地元企業への就職者が多い。金沢工業大学は、4位に環境・建築、5位に工の2学部がランクインした。

文理融合系は、1位仁愛大学、2位ノートルダム清心女子大学。上位に人間科学系が多いのは、教員や管理栄養士などの資格が取得できる学科で構成されている影響が大きい。それ以外では、社会科学や情報科学系など文理の枠を超えた学びが特徴の、青山学院大学社会情報学部が6位。

資格が取得できる学部は就職環境に左右されにくく、学部系統別の平均就職率は、看護・保健・医療系が91.6%、社会福祉系が91.2%と高値安定。そうした中、薬学系は84.1%と、やや見劣りする。歴史の浅い大学を中心に、薬剤師国家試験の合格率が低いことが就職率に表れている。

薬学系の就職率ランキングは、薬学教育の歴史がある大学が多く、1位の名城大学、2位の名古屋市立大学、3位の明治薬科大学など、20位までが90%を超えている。

社会・社会福祉系は、トップの群馬医療福祉大学以下、社会福祉系が上位を占めている。この系統は全般的に就職率が高い割に、入学時の難易度はそれほど高くない。社会学系のトップは一橋大学だ。一方、看護・医療技術系は、国際医療福祉大学小田原保健医療学部、慶応義塾大学など4校が98%を超えている。

就職力は大学選びの重要な評価指標。3年間、高い就職率を維持してきた大学は、就職に強い大学としての評価を得ているといえる。

■表の見方
データは各大学の就職課などが集計し、寄せた回答から学部系統別に就職率のランキングを作成している。学部単位(看護系のみ学科単位も含む)の「就職率」は、就職者数÷(卒業生数−大学院進学者数)で算出。「3年間就職率」は、3年間(2014年、2015年、2016年)の就職者数÷(3年間の卒業生数−3年間の大学院進学者数)で算出している。
2016年の卒業生が100人以上の学部が掲載対象。学部名は旧名称の場合があり、3年間の間に学部名等を変更した場合は、対象外としている。就職率の小数点2ケタ以下は同率として順位をつけた。
「難易度」は、河合塾が予想する合否の可能性が50%に分かれる、ボーダーライン偏差値。今回使用したボーダーラインは、前年度(2016年度)の入試結果と第2回全統マーク模試の志望動向を参考に算出されたもの。入学時と卒業時で学部名称が違う場合や算出不能の場合は「—」としている。
(出所)就職率は大学通信調べ。難易度は河合塾調べ
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