江戸城「大奥」は、本当にハーレムだったのか 「男子禁制、女性1000人」知られざる実態は?

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Q12. 「夜の時間」は2人きりを満喫できたのでは?

そんな時にも将軍に自由はありません。

「大奥」での将軍専用の部屋である「御小座敷」には常時、隣室に夜勤の女性が複数控えていました。

当日「御添寝」する女性が部屋に入ると、さらにもうひとり別の女性が彼女のすぐ隣に敷かれた布団に背を向けて横になります。

将軍があとから部屋を訪れて「夜の時間」が始まっても、横の女性はそこを離れずじっと「聞き耳」を立てていました。隣室からも気配を感じたままですから、ムードもへったくれもありません。

同室には、「おねだり」防止の監視役がいた

Q13. なぜ、同室に「別の女性」がいたのですか?

将軍への「おねだり」防止の監視役です。初期の頃には、こうした「監視」は行われていませんでした。

ところが、添い寝の女性が将軍とのプライベートな時間を過ごすにあたり、将軍に直接自分の親族縁者の異動昇進を頼んだり、日頃付き合いのある御用商人から賄賂を受け取って御用達指定をあっせんするなどの不正が横行しました。

そのため、こうした行為の対策として、添い寝の女性に対する監視が厳しくなったのです。

Q14. 将軍の「お手」がついた女性はどうなりますか?

「御手付中臈(おてつきちゅうろう)」と呼ばれ、「準」側室として扱われました。

さらに、将軍の子どもを懐妊すると専用の「個室」が与えられ、その後、男子を出産すると「御部屋様(おへやさま)」、女子を出産すると「御腹様(おはらさま)」と呼ばれて、正式に「側室」と認められました。

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