ドイツの10代は「初恋人」を社交ダンスで作る ダンス教室は「子が安全に異性と出会える」場
日本では、近年「おひとりさま」が市民権を得ています。カフェやレストランでは1人客は珍しくありませんし、旅行会社には女性の1人旅をうたうプランがあります。最近では、カウンターで「ひとり焼き肉」を楽しめる焼き肉屋さんも出てきました。
一方、筆者の母国であるドイツの状況はというと、公の場での、特に女性のおひとりさまへの風当たりは強いのです。「世界の男女平等ランキング」では13位と比較的上位〈ジェンダー・ギャップ指数(世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数2016」)より。日本は111位〉のドイツ。しかし女性がひとりでレストランに入れば、空いている席がたくさんあってもいちばん端っこの狭くて居心地の悪い席に案内されてしまうことも。旅に関しては、そもそも「1人で旅をする」という発想自体がほぼタブーなのです。
女おひとりさまのみならず、ドイツでは女同士でワイワイする、つまり「女子会」に対する視線も日本と違ってなかなかシビアです。一応、Weiberabend(女子会)という言葉は存在しますが、そのイメージは「何か特別な事情があって、女性たちが何年かに1度開くもの」です。
「初めての恋人」は社交ダンス教室で
ドイツでは、なんといっても「カップル文化」が隆盛なのです。催しやパーティの招待状には「パートナー(夫、妻、または恋人)とご一緒にいらしてください」と書かれているものも多く、必然的にカップルで人前に出る機会は多くなります。
では、ドイツ人はこのカップルで行動するうえでのお作法を、何歳頃から、どうやって身に付けていくのでしょうか。
彼らが本格的にこれを習得し始めるのは、10代の頃からです。それも「社交ダンス教室」で! 言わずもがな、社交ダンスとは男女ペアで踊るクラシカルなダンスのこと。日本においては中高年の趣味として浸透していますが、実はドイツにおいて社交ダンスは10代のメジャーな習い事です。
ここで、10代の男女はカップルで行動するうえでの身のこなしを学び、さらには恋愛デビューもします。ドイツ人に「初めて恋人ができたのはいつ?」と聞くと「10代の頃にダンス教室で……」という答えが返ってくる人の多いこと。かくいう筆者も初めての彼氏はダンス教室でできました。
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