建築美に見る、ヨーロッパの底力
不況でもヨーロッパの底力を感じるのだが、どこにいっても建物ひとつひとつが何かと繊細に作りこまれており、ゴシック建築好きのあなたにはたまらない街だろう。少し足を延ばせばノートルダム寺院があり、これもパリのものとひけをとらないほど大きく壮麗だ。
GDPなどのフローではアジアが上回っても、歴史的な建物などのストック経済で見ればまだまだヨーロッパに適わないなと感じるほど、美しい建物がどこにいっても連なっている。
帰る間際にEU本部に立ち寄ったのだが、EU議会なども町の中心部からすぐ着く。こういう国際機関はひとつの大国に偏るのを嫌って意外と中間にある小国に本部が置かれることが多いのだが、この意味でベルギーなどはちょうどいい緩衝地帯なのだろう。
ちなみに私のベルギー人の友人曰く、ベルギーは大国に囲まれ諸々のバランスを取りながら生きて行かなければならないので、よく知ると悲哀のある歴史が多いのだという。
皆様も欧州を訪れられた際は、ぜひチョコレートとワッフルとムール貝を食べながら、伝統の無数の種類があるベルギービールを片手に、エスカルゴの煮物をつまみつつ、EU議会の前で歴史的転換点にあるEUの今後に思いを巡らせてみてはいかがか。なお私もEUの成り立ちと今後についてEU本部前で思うことがあったので、次回以降のコラムでまた書かせていただく所存である。
さて、続く第2位は……モロッコ、おめでとう!!
私はスペインの南部からフェリーでモロッコ北部に入ったのだが、たまたまラマダンだったので昼間は全てのお店が閉まっていて苦労した。
ただラマダンというと断食のイメージだが、妊婦や子供といった栄養を必要とする人たちは結構食べることが許されており、しかも断食している人も夜9時くらいから大宴会を始めるので、別に一か月全く食べないわけでは全然ないことをお伝えしておく。
またラマダンの時は大家族が一同に集まって食卓を囲むので、家族の絆を固める、家族と大切な時間を一緒に過ごす、といった意味合いもあるらしい。あの小麦粉をはちみつで固めて揚げたようなドーナツ状のラマダン食はあまり好きになれなかったが、こちらの串焼きは最高に美味である。
ちなみにラマダンは中東に出張するとき手ごわい関門であり、ラマダンの時は先方の投資家が疲れて会ってくれないか、ミーティング中先方のお腹が減っていてぐったりしていることが多く、こちらが水を飲むのも一苦労だ。
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