三井金属「極薄スマホ材料」の知られざる実力

シェアほぼ100%、なければスマホが作れない

5月中旬、三井金属はこの極薄銅箔の生産体制を見直し、大幅増強すると発表した。

現在、銅箔の主力工場である上尾工場は、月産150万平方メートル。フル生産状態が続いている。そこでマレーシア工場の生産量を2018年1月までにほぼ倍増の月産120万平方メートル、さらに7月までに月産180万平方メートルに引き上げ、合計で月産330万平方メートルとする計画だ。

今年度は平均で月産173万平方メートルを見込んでいるが、すでに数社に対してHDI向けにサンプル出荷を終え、本格販売に向けて増産体制を整えている。

生産量の単位は「平方メートル」

ここで注目したいのは、生産量の単位が重さを表すトンではなく、面積の平方メートルであること。薄さが重要な製品ならではの単位だ。幅1.3メートルで、長さ1万メートルまで連続して生産可能。これをロールにするのが一般的な出荷形態だが、顧客の要望でシート状で出荷するケースもあるという。

極薄銅箔。薄さだけでなく、はく離の際の強度も大きな特徴の一つ(写真:三井金属)

この「極薄」銅箔はどの程度薄いのか。その薄さの進展は、三井金属の銅箔事業の歴史でもある。

1995年ごろから試験的な生産をしていたが、1999年ごろから携帯電話のパッケージ基板向けに出荷が始まった。大きく伸びたのは2006年以降。iPhone発売の前の年からである。

「最初は70ミクロン(1ミクロンは100万分の1メートル)、35ミクロンから、それが18ミクロン、さらに12ミクロン、5ミクロンと薄くなっていった。現在の極薄箔は2ミクロンが主流で極薄箔全体の約8割、顧客の要望で1.5ミクロンのものも生産している。技術的には1ミクロンまで対応が可能だ」と、入社以来銅箔一筋の三澤正幸・執行役員銅箔事業部長は振り返る。

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