テスラのEVを陰で支えるニッポンの「素材」 電池に使う「あの金属」の鉱山を持つメーカー
2017年、世界の注目を集めてきた新型車の納車が始まる。それを支えているのは、ニッポンの素材だった――。
電気自動車(EV)大手の米テスラモーターズは今年中に新型車「モデル3」の納車を始める。「EVの普及には低価格の商品が必要」という同社のイーロン・マスクCEOの考えのもとで開発が進められており、価格は3万5000ドルから、航続距離は345キロメートルほどになる見込みだ。
2016年4月の発表以降多くの注目を集め、予約受注はすでに40万台に達したとみられている。この「モデル3」を含め、テスラは2018年の生産台数を55万台、2020年には100万台突破を目指している。
住友金属鉱山が電池材料を大増産へ
これを受け、テスラとパナソニックの合弁で米国ネバダ州に建設中の電池工場「ギガファクトリー」が今年本格稼働する。電池の性能はEVの性能を左右する。普及には航続距離の拡大が不可欠だ。
そんなテスラの電池を、素材で支える日本の「縁の下の力持ち」がいる。EVの電池材料を手掛ける住友金属鉱山だ。同社の材料はこれまでもハイブリッド車やEVの一部車種に採用されてきたが、ギガファクトリーの稼働に合わせて大幅増産に乗り出す。
住友金属鉱山は電池材料に使われるニッケルの鉱山をフィリピンなどに保有しており、鉱石から製錬、加工まで一貫して手掛ける数少ない素材メーカーだ。さらに、二次電池(充電式電池)の大容量化に不可欠な正極材料の高性能化も進めている。すでにパナソニックと共同で二次電池用正極材料(高性能ニッケル酸リチウム)を開発、生産している。今回のギガファクトリーの稼働を受け、このニッケル酸リチウムの大幅増産に踏み切ることになった。
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