日産ついに撤退か、車載電池で再編の号砲

日本勢が総崩れした液晶の二の舞は防げるか

日産が車載用電池事業から撤退するとの観測が浮上。背景には何があるのか(写真は2015年東京モーターショーに出展した同社製の電気自動車「リーフ」)

電池市場に激震が走った。

8月5日、日産自動車が車載用電池事業から撤退する方針であることが、一部メディアで報じられた。7月28日にはソニーが電池事業の譲渡に向けて、村田製作所と交渉中と発表したばかりだ。”日の丸電池”再編の動きが活発化している。

日産は撤退報道に関し、「憶測に対してコメントはしない」とするのみで、否定も肯定もしなかった。ただ、三菱自動車の日産傘下入りや電気自動車(EV)「リーフ」の次期モデルの発売にあたり、電池調達先の合理化を検討する中、今回の話が浮上してきたものとみられる。

売却の対象となる子会社のオートモーティブエナジーサプライ(AESC)は、日産が51%、NECグループが49%を出資する合弁会社。リーフ向けのリチウムイオン電池はAESCが製造している。

EVのコストの半分が電池代?

もっとも、日産が車載電池事業を切り離す背景には、その製造コストが高すぎるという事情があるとみられる。自動車に搭載されている電池は、角形や円筒型、ラミネート型など、メーカーによってさまざまで、自動車メーカーは、AESCのような合弁会社を電機メーカーと設立し、独自の電池開発をしているケースが多い。そのために標準化は進まず、製造コストが下がりにくい構造になっている。

EVの製造コスト全体に占める電池のコストは、「ざっくり言って半分程度」(あるアナリスト)のため、EV自体の価格を押し上げる要因になり、普及の足かせにもなっている。

このような状況を打破すべく、車載電池の汎用化を進めて製造コストを抑え、EVをより手に入りやすいものにすることで、今一つ盛り上がりに欠ける市場の起爆剤としたいと、日産が考えていたとしても不思議ではない。

そして気になる売却先だが、パナソニックや中国メーカーが候補に挙がっている。

次ページパナソニックや中国メーカーの損得
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ゴルフとおカネの切っても切れない関係
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT