日本株は7月18日ごろに重要な局面を迎える FOMCの影響はおそらく無風、その後が問題だ
さて、日経平均の1996年~2016年までの21年間における6月の騰落状況は、14勝7敗と大幅に勝ち越しています。2015年は6月24日に年間の高値、2016年は6月24日に年間の安値を付け、直近2年はともに6月24日が分岐点となりました。今年は6月13~14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、利上げがほほ確実視されているため、FOMCは無風通過の可能性大です。
ジャネット・イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長の会見で相場が動き出す可能性もありますが、その場合は「2度あることは3度ある」で、今年も6月23日~26日ごろ(24日は土曜日のため)が分岐点となる見立てができそうです。ただし、1年周期のような長い期間でみるのではなく、今年に入ってからは、安値から高値、高値から安値までの日数に、「32日間」の周期の方が重要です。直近の6月2日高値から「32日」後は7月18日になりますが、そのあたりに再び高値か、安値の時期が到来する可能性の方が高いとみています。
円安トレンドが明確になるかどうか
最後に、日経平均とドル円相場の関係で、最近の特異な値動きに触れたいと思います。5月中旬からの日経平均とドル円相場は、一般的にいわれる「円安・株高」、「円高・株安」の方向に連動しておらず、「円高・株高」となっており、理屈どおりには動いていません。なので、今の円高局面を「円高・株安」のイメージでいると、株価の下落局面でも押し目買いに躊躇してしまうでしょう。ただ、ドル円相場は52週移動平均線(109円前後)がすでに上昇に転じてきており、4月の時と同じように、今回も52週線(前回案内した200日線の少し下の水準)を下値で意識する可能性が高いのです。
ではドル円相場は、4月のドルの安値と今のドルの安値付近とで二番底(2点底)を形成したあと、円安方向に動き出した場合、株価はどんな反応を示すでしょうか。足元は「円高・株高」だから、今度は「円安・株安」でしょうか?そんなことはたぶんないでしょう。
もし、今の株価の堅調さが、円安になっていく姿を先に織り込んでいるとしたらどうでしょう。昨年を振り返ってみてください。日経平均は2月と6月に同じ水準の安値を付け、その後はジリジリと上昇し、トランプ相場で加速しました。一方、ドル円相場は、9月後半まで円高懸念が拭えませんでした。両者はそこで大きくずれたため、またどこかで合わなくなるものです。それが今の「円高・株高」、円高懸念でも2万円台乗せという部分に表れているとすれば、明確に円安トレンドに動き出したときには、2万3000円のターゲットもまんざらではないでしょう。
今のアメリカと日本の株式市場は、ハイテク株を売って金融株を買っています。前回お話したように、特に銀行株は出遅れています。思った以上に円安への戻りが鈍いから、同じ出遅れ業種の自動車株よりも先に銀行株を買っている様子です。一方、自動車株の筆頭である、トヨタ自動車(7203)の株価は鈍い。ただ近い将来「あ~失敗した、そういえば、あのとき低迷していたトヨタの配当利回りって、3%超えていたよね?」なんて言わないようにしたいものです。
さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のために、ハンドブック(初級編②)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編、初級編①に続く、3冊目になります。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編、初級編①はNTAAのHP内(出版事業をご参照)で読むことが可能です。
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