「日経平均2万円回復」は一時的で終わる? 2017年の6月相場は「当面の戻りのピーク」か
NYダウが約3カ月ぶりに過去最高値を更新するとともに、日経平均株価も6月2日、ほぼ1年半ぶりに2万円を回復した。
6日は前日比190円安の1万9979円で終了したが、実は少し前の日本株を振り返ると、意外にも2015年、2016年と2年連続で6月下旬が相場の転換点となっている。では2017年はどうなるだろうか。需給面から今後の見通しを探ってみる。
目先は「上げ一服」か
2015~16年の日経平均株価を振り返ると、偶然だが2年連続で6月24日が「転換点」となっている。2015年6月は2万0868円(終値)の年初来高値をつけ、東証1部の時価総額はバブル期を上回る610兆円台に達した。だが、その後に「チャイナショック」(直接的には人民元の切り下げが発端)等を機に、日本株は瞬く間に急落した。
一方、昨年の2016年6月は英国のEU離脱決定に金融市場が動揺、ドル円相場は一時1ドル=99円台、日経平均も1万4952円の年初来安値をつけた。東証1部の時価総額は450兆円台までしぼんだが、その後に反発し底入れを確認した。
2017年の日本株の売買動向をみると、4月以降は海外勢が買ってきたことに加え、5月には国内勢も積極姿勢へ転じてきた。まず、年金基金の売買を反映する信託銀行だ。新年度以降に売り姿勢を続けていたが、5月中旬から買い越している。
次に事業法人だ。2016年度末の上場企業全体での手元現金は約112兆円まで積み上がり、国内企業は株主還元策としての自己株買いを活発化させている。さらに、2017年度の上場企業の配当総額も12兆円超と、これまた過去最高水準に達している。今後は個人投資家に2.5兆円程度が支払われる見込みで、配当金の再投資も期待できる。
一方で日銀の上場投資信託(ETF)の買い入れは継続しており、日本株の下値は堅そうだ。とはいえ、足元の東証1部時価総額は再び600兆円を上回ってきた。日本企業の業績は過去最高になる見通しでも、上値追いには慎重な見方も必要だろう。また、需給が悪化すれば、日本株の先高感が急速にしぼむことも考えられる。
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