「日経平均2万円回復」は一時的で終わる?

2017年の6月相場は「当面の戻りのピーク」か

需給面での不安は二つある。まずは、今年最高となる1兆円台まで積み上がっている「信用売り残」だ。通常「制度信用売り」は、目先は下押し要因だが、6ヵ月期日が到来すると買い戻しされるため、将来の押し上げ要因にもなる。

相場が上昇した時、売り方(カラ売りで儲けようとする勢力)が、含み損拡大に耐えられず損失覚悟で買い戻しを迫られ、株高が加速することを「踏み上げ」というが、直近の日経平均の2万円回復はこの「踏み上げ」によるとの見方が根強い。通常の「買い方の実需相場」でなく、「売り方の踏み上げ相場」だとすると、素直に喜べず、目先は警戒が必要だ。

もう一つは、「日本郵政株の追加売り出し」だ。2015年11月4日に上場した日本郵政グループ3社の株式は当初順調な滑り出しとなり、3社合計の資金吸収額は約1.4兆円に達した。ところが、今年4月、買収した豪物流会社で約4000億円の減損処理を発表したように、同グループへの成長期待はしぼんでいる。早ければ今夏にも政府保有株から数千億円規模の放出があるとされているが、果たしてどうなるか。もし実行されれば、当面、日本株の市場全体の上値圧迫要因になりそうだ。

「踏み上げ」が一巡、流れが一変する可能性も

日本株の行方はどうしても為替に左右されやすい。その為替に影響を与えるのは米国の政策金利だが、6月13-14日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)では、利上げが確実視されているものの、為替市場ではすでに織り込みずみだ。むしろ足元ではトランプ米大統領のロシア関連疑惑や、英国のテロ問題等がくすぶる。

また、特に日経平均は自動車を中心とした輸出関連株のウエイトが大きい。それだけに、もう一段の円安ドル高が進まないと、国内の企業業績は伸びを欠くことも想定される。

このまま行くと、2015年6月の日本株は高値、2016年6月は安値、今年の2017年は2015年の高値を抜けない「戻り高値」になりそうだ。2016年のダブルボトムから見た日経平均の戻りのメドは2万0192円だった。仮にもし再び同水準を上回っても、上値余地は限定的かもしれない。一方、今後の信用売り残が減少するようなら、踏み上げ一巡のサインでもある。昨年の6月からほぼ1年間戻り歩調が続いているだけに、日経平均の2万円台回復は一時的にとどまり、ここからは調整もありそうだ。そろそろスピード調整した場合の、下値メドを算出しておく必要もありそうな気配だ。

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