猫よりお勧め!「犬」がもたらす凄い健康効果

業界を知りつくした男が語るペットセラピー

高齢者施設からは次のような感想が寄せられているそうです。

●普段笑わない人が犬と触れ合うことで笑顔になった。
●口数の少ない人が犬にたくさん話しかけていた。
●犬が来ると施設内が明るくなる。
●入居者とスタッフに親近感が出た。

「このように、アニマルセラピーは高齢者施設の問題の解決に役立ちます。ぜひ、日本社会全体に広く理解が広がってほしいものです」

と藤森氏は語っています。

認知症の予防・改善も期待できる

高齢者と犬との触れ合いによる効果を、箇条書きにしてみます。

①生理的・身体的効用
・犬に話しかけたり、犬を話題として周囲の人と会話することにより、発語が増える。
・犬をなでたり、食事を与えたり、散歩をさせたりすることにより、運動量が増える。
・犬と触れ合うことにより、ドーパミンやβエンドルフィンなどの神経物質が分泌される。
・これらにより、認知症の予防や改善が期待できる。また、リラックス効果や、運動機能の改善、血圧の低下、ストレスの軽減、筋力維持が期待できる。

②心理的効用
・「世話をされている」という自己認識から、「役に立っている」あるいは「何かしてあげたい」という意識へと変わることで、自尊心が向上し、自発活動が増える。
・「犬に触れたい」という動機づけから、うつ症状や無気力、暴力などが改善される。

③社会的効用
・犬を通じて会話が増えることにより社交性が出る。関心対象も増える。
・高齢者施設などにおいては、他の入居者やスタッフへの親近感が増す。
・犬といることにより孤独感が軽減する。
・日々の犬の散歩などにより、定期的な生活習慣が身に付く。

 

以上のように、ワンちゃんと高齢者が触れ合うことの効用は大きく、超高齢化時代の日本では、アニマルセラピーには大きな可能性が開けているのです。

実は私自身、チワワの7歳のオスのワンちゃんを飼っているのですが、毎朝、散歩に連れていくと、高齢者の方々が愛犬とともに元気に散歩をされているのをよく見掛けます。“ワンちゃん友達”との交流も楽しんでおられるようです。

その姿を目にしながら、愛犬と仲良く過ごし、散歩仲間とのコミュニケーションを深めることで、健康寿命を少しでも延ばしていただけたらいいなと思っています。

なお、高齢者の方がワンちゃんを飼う場合、運動量が少なく扱いやすい小型犬がおすすめです。エサ代もさほどかかりません。トイプードルなどは賢いですし、特にいいのではないでしょうか。

食事については、前回(「愛犬を『可哀想なワンちゃん』にしない食事法」)ご紹介したようなことを守っていただければ、そんなに難しいこともなく、健康なワンちゃんを育てられるはずです。

現在日本では、犬の飼育数が低下傾向にありますが、こうした高齢者視点からも、社会全体でワンちゃんを飼うことの意義を見直していただきたいと願っております。

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