「同性婚」合法化へ動き出す、台湾の光と影

同性愛者vs反同性愛者、宗教団体の対立激化

「同性婚を認めないのは違憲」とする大法官会議に賛成する同性愛支持者たち(撮影:台湾「今周刊」)

台湾が国際舞台で注目を集めている。台湾の司法では最高機関となる大法官会議は5月24日、「現在、同性愛者の同士の婚姻を制限してきた現行の民法は違憲だ」との解釈を示したのだ。これは、同性愛者に結婚と家庭を構成する権利を与えるべきだという意味であり、台湾はアジアで最初の同性婚を許容する国家となる。台湾・司法院の呂太郎秘書長は大法官の判断を受けて、「関係機関が2年以内に関連法の修正や制定を完成すべきだ」と発表した。

台湾の多くの同性愛者にとっては、今回の大法官判断は非常に喜ばしく元気づけられる結果となった。台北に住む羅哲修さん(22)は「今回の判決は憲法が定めた平等の精神と非常に合う。異性愛者と反同性愛者も判決を受け入れるべきだと思う。法的に同性愛者に異性愛者のような権利を与えるのは本質的なことだ」と述べた。

同性婚は経済効果をも生み出す

羅さんはまだ男性の友人がいない。さらに言えば、彼はカミングアウト(自分が同性愛だと打ち明けること)もしていない。しかし、自分が男性だけを好きだということを、よく知っている。相対的に、社会の雰囲気が開放的な台湾において、同性愛者の受け入れ度合いは非常に高い。大学のキャンパスや街中でも、成年の同性愛者がペアルックで手をつなぐ、あるいは抱き合うという光景はよく見られることだ。しかし、冷笑されたり、差別的な対応をされたりすることを恐れ、同性愛者の多くは未だにカミングアウトすることに踏み切れずにいる。

だが、今回の判決で、多くの同性愛者が期待を隠せずにいる。台北市内である男性同性愛者は、「同性結婚が正式に認められれば、経済面においてもプラスになることもある。外国人が台湾は思想的な側面で先進国だと知れば、彼らが台湾に観光に来たり、あるいは台湾で起業することも増えるのではないか」と言う。さらに「台湾がアジアで最初の同性婚合法化に踏み切れば、多くの人たちが台湾に来て友人(恋人)と会うことで、観光などの消費がさらに活発になるだろう。経済成長を後押しすることになると思う」と言う。

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