アマゾンは、メディアで稼げるか? ベゾスの「メディア改造計画」を予測する
「伝統メディア+巨大ネット企業」の初コンビ
ジェフ・ベゾス・アマゾンCEOによるワシントン・ポスト紙買収――このビッグニュースが世界をかけ巡ってから約1週間、世界の興味は「彼がメディア業界をどう変えるか」に移っている。
ベゾスの買収の狙いについては、さまざまな見方がある。
「純粋にジャーナリズムを救うための、利益を度外視した投資だ」という見方もあれば、「ワシントンでの政治的な影響力を拡大するための投資だ」という声もある。どちらにも一片の真実は含まれるだろうが、ベゾスは当代きっての名経営者。当然、さまざまなビジネスプランを温めているだろう。
ベゾス自身、ワシントン・ポストの社員に当てた声明の中で「私はこの発明のチャンスに興奮しているし、楽観的な見通しをもっている」と語っている。この言葉どおり、ベゾスは、メディアの新たなビジネスモデルを“発明”すべく、新たな実験を繰り出していくだろう。
今回の買収は、メディアの未来を考える上で、大きなターニングポイントになる。
2011年のAOLによるハフィントン・ポスト買収など、ネットメディアとネット企業の組み合わせは過去にも存在した。しかし、紙を起点とする名門メディアと巨大ネット企業のコンビはかつて例がない。日本に当てはめれば、楽天の三木谷浩史社長が毎日新聞を買収するようなものだ。「伝統メディア+巨大ネット企業」のコンビからどんな化学反応が生まれるのか――それを試す世界初の実験となる。
では、ベゾスはどんな実験を試みるのだろうか? ワシントン・ポストをどうマネタイズするのだろうか。その計画を推測してみよう。