バフェットとベゾス、2人の天才と新聞経営 読者志向を失った名門紙の凋落とこれから
古色蒼然としたポストの見出し
「アマゾン創業者 ワシントン・ポスト買収」(ニューヨーク・タイムズ)
「アマゾンCEOベゾス ワシントン・ポスト買収」(ウォール・ストリート・ジャーナル)
米国の首都で発行される有力紙ワシントン・ポストを、アマゾン・ドットコム最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス(49)が買収したニュースの8月6日付各紙の見出しだ。ところが主要紙で一紙だけが、全く異なる見出しをつけた。買収されたポストだ。
「グラハム家 ポストを売却へ」
アマゾンなら米国人の誰もが知っているが、ポストをグラハム家という一家が所有していることは、どれほどの読者が知っているだろうか。80年も続いたグラハム家の支配が終焉を迎えたのは事実だが、一面の左から右へと突き抜けるこの見出しは、各紙がずらりと並ぶニューススタンドで、いかにも古色蒼然とした感じを与えた。
新聞社が売られる。現在の日本では未知の領域だ。が、米国では、この数年、新聞社は売買の対象になっている。新聞社が売買されるというのは、インターネットに読者を奪われ、打ちのめされている同業界にとってどういう意味があるのか。ポストはなぜ売られたのか。
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