ワシントン・ポスト紙は、なぜ凋落したか?

受賞重視の陰で読者減少

8月5日、売却が決まった米紙ワシントン・ポストは、賞の獲得を重視する一方で購読者数が減少していた。ワシントンで撮影(2013年 ロイター/Gary Cameron)

[ワシントン 5日 ロイター] - 当時の米紙ワシントン・ポスト最高経営責任者(CEO)キャサリン・グラハム氏は何年もの間、同社のシニアエディター20人以上をプエルトリコの高級リゾート地に呼び寄せ、経費削減の必要性について話し合ったものだった。

だが、ホテルのカジノやゴルフコースに向かうさなかに、グラハム氏の警告を真剣に受け止めるエディターはほとんどいなかった。

エディターたちはまた、大きなニュースが発生したときには、費用は気にせずに動くようグラハム氏から個人的に言われることが分かっていた。グラハム一族は自社の使命を金もうけではなく、公益の「番人」であると表現することがよくあり、こうしたメッセージは同一族からワシントン・ポストのマネジャーたちへと4世代にわたり受け継がれてきた。

同紙ベテラン記者のウォルター・ピンカス氏は、キャサリン・グラハム氏の夫フィリップ氏が発行人を務めていた時代に入社。「当初、フィルは私に『わずかでももうけが出るなら、われわれの勝ちだ』と言った。彼は公益事業と考えていた」と振り返る。当時、同紙はワシントン・ポストが所有するテレビ局や他の資産に財政的に支えられていたという。

しかし、インターネットが登場するはるか昔の1970年代後半までには、グラハム一族のそうした公共サービス的方針と、上場企業として求められる成長が完全に両立不可能なことは明らかになりつつあった。

米ネット小売り大手アマゾン・ドットコムの創業者ジェフ・ベゾス氏に新聞事業を2億5000万ドルで売却することが発表された後に、キャサリン・グラハム氏の孫娘で現在同紙の発行人を務めるキャサリン・ウェイマス氏が出したコメントがそれをまさに言い当てている。

「ジャーナリズムが使命であるなら、経費削減と利益計上へのプレッシャーを考えると、(上場企業であり続けることは)ポストにとって最善ではないかもしれない」

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