30~40代が大学生に指南する「人生の転び方」 立派に見える大人も恥ずかしい黒歴史はある

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常見:Fコードが弾けなくてしまってしまったギターね。学園祭のときに調子に乗って金髪にしてしまった写真とか。背伸びして買った高い服とか。黒歴史をもっと出すと。

大人は成功体験だけじゃなくて、しくじりも見せよう

「何度コケても大丈夫なんだ!」ってことの証拠

清田:町田康に影響された文体で書いたエッセーだったり。

常見:村上春樹調で書いた未発表の小説だったり。そういうの、あるじゃん。それを出すとみんな勇気をもらえますよ。

トミヤマ:あるある、私も死ぬほどあります(笑)。

清田:それを大人が出していくと若い人は勇気をもらいますよね。「何度コケても大丈夫なんだ!」ってことの証拠なわけで。「今メディアで活躍している常見さんにも、同じような時期があったんだ」って知るだけで、ちょっと不安が緩和される気がします。

トミヤマ:「へえ、かっこ悪い過去があっても、こんな感じに仕上がるんだ」って思えるのは、希望ですよ。ちょいダサの過去を見せたほうが教育的効果は高いと思います。今のスペックじゃなく「伸び率」をみてほしい!

常見:大人は成功体験だけじゃなくて、しくじりも見せよう! ということですね。 ぼくも自分がビジュアル系のボーカルだった頃の写真を引っ張り出したいと思います。ありがとうございました!

(構成:山本ぽてと)

いつも不思議に思う瞬間がある。『週刊東洋経済』など、ビジネス雑誌の大学特集の号は誰が買っているのだろうという問題だ。いつも売れ行き好調だそうだ。別に大学進学を控えた高校生の親だけが買っているわけではない。愛校心から買っている層もいるだろう。私はきっと大学や大学生に関して皆、何か言いたいからだろうと解釈している。この本や、その基となったウェブ連載も読者のほとんどが大学生以外だったそうだ。

大学や学生について何か言いたくなる気持ちはわかるが、まず現状を理解しなくてはならない。理解を深めたうえで、大人としてどんなアドバイスができるのかを考えたい。

常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家

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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi

1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。

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