「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない訳

人生には多くの選択肢がある。逃げればいい

環境を変えることで見えてくるものもあります(写真:sasaki106 / PIXTA)

過労死や過労自殺の事件が報道されるとしばしば聞かれるのが、「死ぬくらいなら辞めればいいのに」という声です。昨年発覚した電通の新入社員の過労死事件により、過労や長時間労働の暗部があらためてクローズアップされる中で、声に出さないまでも「そこまで行く前に辞めればいいのに」と感じる人は案外多いのかもしれません。

なぜ、過労によって命を落とす人は、会社を辞める、仕事を辞めることを選択しないのでしょうか。「命より仕事のほうが大事」だと思うのでしょうか。

過労死等防止対策推進法よると、過労自殺とは「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡」と定義されています。つまり、過労自殺は心の問題と切っても切れない関係にあるものです。

そして、どんな人でも、ストレスの強すぎる環境にいれば精神的に追い込まれ、うつになる可能性があります。精神科医の私でさえ、ストレス過多状態が続き、食欲が落ち、うつ状態になったことはあります。連休が明け、いわゆる「5月病シーズン」が始まります。ストレス社会で働く人たちにとって「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができなくなる理由は誰しもが知っておくべきことではないでしょうか。

あなたは「サーカスの象」になっていないか?

私が監修・執筆させていただいた『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』では過労でうつに陥る人の心理状態が非常にわかりやすく表現されています。過労自殺をする人は、「会社を辞める、仕事を辞めることを選択しない」のではなく、判断力がなくなることによって、「選択できない」状態になるのです。

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