30~40代が大学生に指南する「人生の転び方」

立派に見える大人も恥ずかしい黒歴史はある

トミヤマ:講師をしていると、「バイトがキツくて勉強する時間がありません」という学生と接することもあります。バイトをしないと学費や生活費を払えない現実がある。われわれの本でも、貧困の問題をどのくらい書くのかはかなり悩みました。でも、やはり本を読んだ若い世代に「大学に行きたい」と思ってほしくて、あえて理想論的に書いた部分はあります。

常見:難しいですよね。「大学っていいよね」って言いきりたい一方で、経済的な事情もあります。子どもが頑張ってもあらがえない部分があって。親を選べるわけじゃないし。いろんな事情があるなかで、それでも「大学に来てよかった」と思ってもらえるにはどうしたらいいかを日々考えています。

教員にできること

トミヤマ:われわれの立場としては、学生のポテンシャルをすごく信じているんです。最初からあなたたちのことを、出来が悪いとか、バカだとか思っていないから安心してほしいと。仮に勉強が好きじゃなくても、大学に入ったら高校までとは違う勉強の仕方があるから。元気出せ!本気出せ!絶対に大丈夫だから!というところから大学生活を始めさせてあげたいんです。理想論でしょ?と言われるかもしれませんが、理想でたきつけることで、その気になってぐんぐん伸びていく学生って現実にいるので。

常見:教員にできることは、まず面白い講義をすることですね。これはライブだぞ、と。TBSラジオ「文化系トークラジオLife」のパーソナリティ、関西学院大学社会学部の鈴木謙介准教授は「GIG」と呼んでいるようですが。

清田:ライブという発想はいいですね! 具体的に工夫されていることってありますか?

常見:私の専攻は労働社会学や人材マネジメント論なのですよね。「経営学」という名の、人材マネジメント論よりの講義を担当しているのですが、たとえば今日の講義では「理想の上司ランキング」を読んでもらいました。今年は女性編で水卜麻美アナが初の1位になったやつですね。このランキングを見て感じたことと、あなたにとっての理想の上司はなにか?を考えてもらうことから講義を始めます。

トミヤマ:わかりやすい話題でみんなの興味を引きながら、だんだん深いところに潜っていくんですね。

常見:今度は、これを理論で読み解いていく。三隅二不二が提唱したPM理論というものがあります。「職務遂行機能」(Performance)と、メンバーの仲を取り持つ「集団維持機能」(Maintenance)の2つの軸で分析するものですね。この人って、両方高いPM型だよね、この人は集団維持機能が低そうだからPm型だねとか。身近な話題から入り、その後、理論を紹介し、読み解くというスタイルでやっています。

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