新型「MINIクロスオーバー」は何が変わったか 居住性も向上、何にでも使える万能な車だ
新型は従来型より大きくなった。全長でプラス195mm、全幅で同30mm、全高でやはり45mmと拡大しているのだ。その分とくに後席空間が広くなっている。そして荷室の使い勝手のよさも向上。容量が100リッターも拡大したうえ、3分割バックレストも採用した。
興味深いのは、オプションでピクニックベンチを設定していることだ。アウトドアなどで荷室をベンチがわりに使える。高級SUVの最新トレンドをいち早くこのカテゴリーで採用した点も、新型クロスオーバーの魅力といえる。
ラインナップは大きく2つ。110kW(150ps)のMINI クーパーD クロスオーバー(386万円〜)と、140kW(190ps)のMINI クーパーSD クロスオーバー ALL4(483万円)だ。MINI クーパーD クロスオーバーのみ前輪駆動とALL4と呼ばれる4輪駆動仕様が選べる。変速機はすべて8段オートマチック。
今回は、もっとも売れ線になるだろうと思うMINI クーパーD クロスオーバーを試乗した。いままでとは一線を画したモデルだ、と僕はドライブして感じた。
新型には従来にない雰囲気がある
MINI クーパーD クロスオーバーは、110kW(150ps)の最高出力と、330Nmの最大トルクを1750rpmから2750rpmで発生する2リッター4気筒ディーゼル・エンジンを搭載する。
全体の印象はある意味、先代の継承だ。大型バンパーと個性的な形状のヘッドランプ&グリルの組み合わせは、ほかに類のないデザインでMINIの一族とすぐわかる。ブラックアウトしたピラーと、そこに載るフローティングルーフも、従来からのアイコンを継承したものだ。
試乗してすぐ感じるのは、ソフトであたりのよい操縦感覚。2016年にデビューしたMINI 5ドアに通じるものがある。これまでMINIはゴーカートフィーリングを謳ってきた。ステアリングホイールを切ると即座に反応し、車体ロールを抑えながら曲がっていく、あの独特の感じだ。
しかし、新型クロスオーバーはロールもそれなりに大きくなった。少しゆっくりとノーズが傾き、操舵したときの印象は快適性が強くなっている。
エンジンはフィールもよい。2000rpm以下でも力は十分。アクセルペダルを軽く踏んでいるだけで、かったるさは一切ない。走行中に加速したいときでも即座に力が出る。しかもディーゼル特有のガラガラ音は皆無で、洗練度がうんと上がっている。燃費にも注目だ。メーカーによると、従来モデルより約37パーセントも燃費が向上してリッター21.3kmという。
「一家にこれ1台で十分」とMINIはプレスリリースで謳う。従来のMINIはスポーティな感覚が強すぎると感じたひとも、すんなり受け入れられるだろう。室内はたしかに広い。かつ贅沢になった。とりわけ試乗車にはダイヤモンドパターンのレザーシート(オプション)が装備されていて、従来にない雰囲気がある。
(文:小川フミオ)
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