ロシアゲートでドル安円高はどこまで進むか

「不透明感」で下落するドルの下値余地は?

一躍世界の注目を浴びることになったコミー前FBI長官。3月の下院情報特別委員会で初めて公式に、大統領選挙期間中のロシアとトランプ陣営の関係を捜査していることを認めた(写真:AP/アフロ)

「ロシアゲート」。昨年の米国大統領選挙でトランプ大統領の陣営がロシアによるクリントン陣営へのサイバー攻撃などに関与したのではないかとされる疑惑である。1970年代に、当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」になぞらえて、このように呼ばれるようになった。

これが金融市場に大きなインパクトを与えたのは5月17日のこと。5月9日に突如解任された米国連邦捜査局(FBI)長官のコミー氏が、本件の捜査をめぐってトランプ大統領と2月に会話した内容を書き残したメモの存在が明らかになると、これまでリスクオンのムードが漂っていた金融市場は急転直下、リスクオフに転じた。NY市場ではダウが372ドル急落。市場の不安心理を示すVIX指数が前日の10.6付近から15.6まで急騰するなか、ドル円は113円台前半から110円台前半まで下落した。

「コミー・メモ」でリスクオフに

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既に報道されている通り、この問題は今に始まったわけではない。今年3月の段階で当時のコミーFBI長官は、「ロシアゲート疑惑」について捜査中であることを明言していた。加えて、トランプ大統領のロシアに対する「情報漏えい疑惑」や、コミー氏にマスコミに対して大統領との会話を漏らさないように圧力をかけるようなツイッター上での投稿など、これまで数々の問題はあった。

しかし、NYダウの下げ幅は、オバマケアの代替法案が議会で承認されないとの懸念が広がった3月21日よりも大きく、約2カ月ぶりの急落であり「ロシアゲート疑惑」に関連した株安としては初めての大幅なものだった。今回の「コミー・メモ」は市場参加者にとって、一体どこが「特別」だったのだろうか。

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