結婚式の「外国人神父」知られざる驚愕の真実 「司祭」と「牧師」の何が違うか知っていますか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大将:だから先生、さっきも言ったけど、結婚式に対する女子の夢に口出しするのは、地雷源にはだしで踏み込むようなもんですって。

島田:うーん、それは怖い。じゃあ、地雷撤去できるような話をしましょう。実は、日本には宗教による結婚式がなかったんです。

ハナ:何それ!? 先生、お得意の「なかった」話でごまかしちゃダメです。

結婚で宗教的な儀式を行うようになったのは…

島田:いえ、ごまかしじゃなく事実なんですって。少なくとも明治時代まで、宗教は結婚にかかわっていません。明治以降も、結婚で宗教的な儀式を行うのはキリスト教に改宗した人ぐらいでした。

なぜかというと、当時の日本の結婚は純粋に家同士の結びつきだったんですよ。家の格を合わせて見合いがセッティングされ、会ったことがない人と結婚することもざらでした。戦前までは戸主が非常に大きな権限を持っていて、家族の結婚は戸主が認めないとできませんでしたしね。そういう時代ですから、結婚は基本的に家の行事なんです。両家の関係者が集まって、自宅や料亭でお披露目をするかたちが一般的でした。

翔太:それって披露宴ですよね。その前に、神さまに誓う式とかはしなかったんですか?

島田:単に「今日から両家は姻戚関係です」と披露すれば十分なので、宗教的な儀式は不要なんですよ。

翔太:んー? それがなんで、今はキリスト教式、あっと、キリスト教風の結婚式をするようになったんです?

島田:キリスト教風の結婚式が一般化するのは、戦後です。なぜかというと、憲法が変わったから。

翔太:は、憲法?

ハナ:先生、変化球で来ましたね……。

島田:いや、ホントにそうなんです。新しい憲法の第24条では、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると明記されました。つまり結婚というものが、家と家とのつながりから、結婚する男女の意思によるものへと根本的に変わったわけです。それで、家のくびきがなくなったのはいいけれども、自分たちの意思だけで婚姻を成立させろと言われても、どうでしょうハナさん、ちょっと心細くないですか。

ハナ:あー、そうかもしれませんね。

次ページ誓う相手は、超越的存在であるほうが…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事