企業の投資を促すために、必要な政策とは?

国内銀行の貸出状況からわかる、アベノミクスの限界

異次元緩和の目的は達成されているとはいえない(撮影:今井 康一)

異次元緩和政策が導入されたにもかかわらず、銀行貸出が増加していないことを前回述べた。金融緩和は、銀行貸出の増加を通じて波及するものであるから、この事実は、異次元緩和政策が機能せずに空回りしていることを示すものだ。異次元金融緩和の目的は、銀行保有の国債を日銀が買い上げることによって、銀行の資産構成に変化(ポートフォリオ・リバランス)を生じさせ、貸出などリスクの高い資産の比率を高めることとされる。しかし、この目的は達成されていない。

多くの人は、安倍晋三内閣の経済政策の第一の矢である金融緩和政策が大きな効果を発揮し、このために日本経済の動向が好転しつつあると考えている。しかし、貸出が増えず、異次元金融緩和が日銀当座預金の増加をもたらしただけで終わっているとすれば、最近の日本経済の見方を、根本から変えなければならない。

このように、銀行貸出の動向は金融緩和の本質にかかわることなので、いま少し詳しく見ておこう。

前回述べたように、国内銀行の貸出金平均残高は、2013年3月末をピークとして、それ以降は減少している。以下では、貸出先別の貸出動向を見ることにしよう。ただし、このデータは、現在のところ、13年1~3月期までしか得られない。したがって、4月以降の貸出減少の原因を直接に明らかにすることはできない。しかし、3月期までのデータの分析は、日本の銀行貸出がどのような状態にあるかについて、いくつもの貴重な情報を与えてくれる。

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