説明下手な人に足りない「たった1つの動き」 デジタル全盛の今だからこそ覚えておきたい

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そんなときこそ「指をさして説明する」という単純な動作によって、自然と自分の説明に集中してもらえるようにすればよいのです。

先ほどホワイトボードのケースで説明したとおり、指さしによって、人の視線は必ず指をさした先に向かいます。

すると、視線だけでなく、意識もその先に向くことになります。結果、そこに示されている内容に集中できるようになるため、こちらの説明が短時間で理解してもらいやすくなるのです。

これが「視線のマネジメント」というキーワードの種明かしです。「指さし」によって相手の視線を誘導し、自分の説明を聞いてもらいやすくなるよう、チューニングしていくのです。

「ペーパーレス」が犠牲にしているコミュニケーションの本質

ところで、この「指さし」動作を実践するためには、ある大切な前提があります。「指をさした先に、視線を向けるべき『何か』がなければならない」、すなわち「口頭だけのコミュニケーションでは、指がさせない」ということです。

逆に、資料があれば、そこに視線を向けさせるだけで、説明する内容に集中してもらうことが可能です。

『「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ペーパーレスかつデジタル化が推奨されている現在において、私は機会があるごとに「紙の資料を用意して、それを相手に見せながら伝える」方法をおすすめしています。

なぜなら、パソコンやタブレット端末の画面と比べ、紙のほうが受け手の理解力や集中力が高まるだけでなく、先ほど紹介した「指さし」で視線を資料に集中させることで、こちらの説明を理解してもらいやすくなるからです。

「紙で見せて、指をさしながら伝える」

20年前のビジネス環境だったら、こんなアドバイスに何の価値もなかったと思いますが、デジタル機器の普及が著しい現在だからこそ、これは立派な処方箋になりうるのです。

ペーパーレスは決して、「ペーパーゼロ」を意味するものではないはずです。効率化の傍らで「見せて伝える」という手段をもがれた、現代のビジネスパーソンたちに生じている膨大なコミュニケーションロス。紙の資料を用意し、見せて「指さし」することで伝わり方は大きく違ってきます。時々「指示棒でもいいですか」「ペンでもいいですか」といった質問を受けますが、もちろんどちらでもかまいません。

浅田 すぐる 文筆家、学習・成長・キャリア支援家

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あさだ すぐる / Suguru Asada

1982年名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学留学。20代はトヨタ自動車の海外営業部門にて米国勤務、グロービス社長室にてWebPR等に従事。30歳を機に独立し、社会人のスキル・キャリア学習を支援。古巣のトヨタ、グロービスをはじめ、電通、資生堂、パナソニック等、登壇実績多数。海外でも中国・カンボジアで登壇。累計受講者数1.5万人超。

2015年『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』で出版デビュー。ビジネス書ランキング月間1位、年間4位を獲得。その後も『頭のいい人の、学びを「20字」にまとめる技術』等ベストセラー多数。全13冊、著者累計61万部超、海外5カ国翻訳。40歳を機に海外教育移住し、現在はマレーシア在住。音声メディアVoicyにて教育や子育て・キャリア上の学び・気づきを放送中。公式メールマガジンは読者数2万人超。10年以上にわたり1500号以上配信を継続している。2025年からnoteブログも新たに開設。

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