説明下手な人に足りない「たった1つの動き」 デジタル全盛の今だからこそ覚えておきたい
そんなときこそ「指をさして説明する」という単純な動作によって、自然と自分の説明に集中してもらえるようにすればよいのです。
先ほどホワイトボードのケースで説明したとおり、指さしによって、人の視線は必ず指をさした先に向かいます。
すると、視線だけでなく、意識もその先に向くことになります。結果、そこに示されている内容に集中できるようになるため、こちらの説明が短時間で理解してもらいやすくなるのです。
これが「視線のマネジメント」というキーワードの種明かしです。「指さし」によって相手の視線を誘導し、自分の説明を聞いてもらいやすくなるよう、チューニングしていくのです。
「ペーパーレス」が犠牲にしているコミュニケーションの本質
ところで、この「指さし」動作を実践するためには、ある大切な前提があります。「指をさした先に、視線を向けるべき『何か』がなければならない」、すなわち「口頭だけのコミュニケーションでは、指がさせない」ということです。
逆に、資料があれば、そこに視線を向けさせるだけで、説明する内容に集中してもらうことが可能です。
ペーパーレスかつデジタル化が推奨されている現在において、私は機会があるごとに「紙の資料を用意して、それを相手に見せながら伝える」方法をおすすめしています。
なぜなら、パソコンやタブレット端末の画面と比べ、紙のほうが受け手の理解力や集中力が高まるだけでなく、先ほど紹介した「指さし」で視線を資料に集中させることで、こちらの説明を理解してもらいやすくなるからです。
「紙で見せて、指をさしながら伝える」
20年前のビジネス環境だったら、こんなアドバイスに何の価値もなかったと思いますが、デジタル機器の普及が著しい現在だからこそ、これは立派な処方箋になりうるのです。
ペーパーレスは決して、「ペーパーゼロ」を意味するものではないはずです。効率化の傍らで「見せて伝える」という手段をもがれた、現代のビジネスパーソンたちに生じている膨大なコミュニケーションロス。紙の資料を用意し、見せて「指さし」することで伝わり方は大きく違ってきます。時々「指示棒でもいいですか」「ペンでもいいですか」といった質問を受けますが、もちろんどちらでもかまいません。
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