説明下手な人に足りない「たった1つの動き」 デジタル全盛の今だからこそ覚えておきたい
拍子抜けするほどあっけない答えで恐縮ですが、その動作とはこれです。
「指をさして説明する」
短時間でわかりやすく報告できている人の大半が、資料の該当箇所を指さし、「この点についてご説明します」という動作を自然に行っていました。
一方、報告が紛糾し、時間を大幅に延長して周りに迷惑をかけている説明者は、ほとんど例外なくこの「指さし」を怠っていました。
指1本で相手の意識を自在に操る「視線のマネジメント」
「指をさす」というとてつもなくシンプルな動作が、なぜこれほどまでに明確な差につながっているのでしょうか。
キーワードは「視線のマネジメント」です。
たとえば、会議室にまっさらなホワイトボードが置いてあったとしましょう。そして、「ホワイトボードを見てください」と言われたとします。
あなたの視線はホワイトボードに向くと思いますが、おそらく5秒も経たないうちに、その視線は別の場所にそれていくでしょう。視線と意識はつながっているので、視線の集中が途切れれば、意識の集中も途切れ、理解力は落ちてしまいます。
一方で、私がホワイトボードの前に立って、ボード上の1カ所を指さしてこう言ったとしましょう。「ホワイトボードを見てください」と。
先ほどとまったく同じセリフですが、結果は変わってきます。
私がホワイトボード上の指をさす位置を変えていくと、あなたの視線はそれにつられて動き、該当する場所にとどまり続けるはずです。結果、あなたの意識もその場所に集中でき、理解力も増すはずです。
もし、あなたがいま何かを説明しようとしていて、その内容がホワイトボード上に書かれているとしたら、はたして「指さしあり」と「指さしなし」のどちらのほうが相手はあなたの説明に集中しやすく、理解しやすくなるでしょうか。
生産性アップの秘訣は意外と身近に隠されている
話を役員報告会議のときに戻しましょう。
相手は大企業の役員です。大量の案件を抱え、分刻みのスケジュールをこなしながら、日々忙しく過ごしています。とはいえ、人間である以上、つねに目の前に提示される内容に100%集中、というわけにもいきません。前後の重要度の高い案件に気を取られている場合もあるでしょうし、単に体調がすぐれないときだってあるでしょう。
もし、自分が話しに行った際にたまたま相手がそうした状態だったとしたら――いくらこちらが手を変え品を変え「内容のわかりやすさ」を追求したとしても、思いどおりに受け取ってもらえないケースもあります。
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