災害時に慌てて仮設住宅を作るのはやめよう 新しい公共空間Pop-up Commonsとは?
「コンテナでできた街」で再生したロンドン犯罪多発地域
――孫さんは「Pop-up Commons」という新しいアイデアをお持ちです。どのような構想なのかをお話しください。
孫:まずロンドン郊外のブリクストンという町のケースを紹介させてください。ここはかつて、若年労働者が流出して高齢者ばかりになり、また「仕事がない」ということから犯罪に走る人が増えてしまった町です。
「この街の現状をなんとかしよう」ということで、まずは駅前のスペースの再開発に取りかかりました。そのコンペで選ばれたデザイナーのアイデアが実現したのが「ポップ・ブリクストン」というエリアです。
ここの特徴は、「建築物がすべてコンテナ」というところです。並べたり積み上げたりしたコンテナの中に、コワーキングスペースやバー、ベーカリーやイベントスペースがあるのですが、若者に大人気のスポットに生まれ変わりました。
野尻:カッコイイですね。
孫:このポップ・ブリクストンに入りたいテナントは、いくつかの審査などにパスをすれば、安く借りることができるんですが、条件の1つに、「刑務所帰りの人を一定の割合で雇用する」という項目があるんです。この地域は、犯罪の多かった街なので、再犯率をどう減らすかが、大きな課題でした。そのために、彼らの再就職を支援するNPOも入居していて、ちゃんとトレーニングもしているんですね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら