長島昭久議員「私が民進党を見限った理由」 防衛安保の専門家が唱える第2極とは?

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「もちろん与党の側にも、それを受け止める懐の深さがあった。象徴的な例が衆議院有事法制特別委員会の自民党側の筆頭理事だった久間章生元防衛大臣だ。この時、民主党は緊急事態法制プロジェクトチームの座長だった前原(誠司)さんが8項目の修正案を出し、それを久間さんたち与党が全部のんだ。そして民主党も、(左派として知られていた)横路孝弘さんまで“有事法制”に賛成した。国を守るというのはこういうことだと思った」

しかし共産党と組めば、これは実現できないと長島氏は言う。

「良くも悪くも綱領からぶれずにずっとやっており、これからもやっていくだろう政党と選挙協力するには、政策調整しなければならない。ではどうやって調整するかというと、民進党の妥協しかない。実際に消費税もACSA(日米物品役務相互提供協定)もエネルギー政策もTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)も、民進党は共産党に妥協している。要するに選挙政策として民進党が共産党にすり寄っているが、それを背後で動かしているのが小沢一郎氏。そして小沢氏が作りだした小選挙区制度によって“万年野党”と“永久与党”が固定化され、その中間を求める国民の声は反映されない。私が離党した時に小沢氏が『それでは自公政権がいいっちゅうことか』と言ったというが、それではあまりに極端だ」

「穏健な保守」とは?

むしろ国民の多くは「穏健な保守」を求めているはずだと長島氏は述べる。

「私がつくろうとしているのは第3極ではなく第2極。自民党にとって代わる勢力だ。もっとも政権交代は10年ほどのスパンをもって考えなければならない。はたして永遠に安倍政権でいいのか。自民党内にもその萌芽は見てとれる。そうした人たちと連携していくことこそ、日本のベストシナリオではないか」

長島氏は4月20日、「外交・安全保障戦略を考える会」を発足させた。メンバーとして民進党の渡辺周衆議院議員や日本維新の会の下地幹郎国会議員団政務調査会長などが名前を連ねている。また近々、自民党の大物議員も参加の予定だ。

「われわれなら第2極となりうる。民進党が応じきれなかった国民の期待を、実現していかなくてはいけない」

ゴールデンウイークは渡米し、議会交流とトランプ政権との情報交換に努めるという長島氏。その成果は5月に公表する予定だという。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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