メルカリ新社長「言い訳ナシに日本を伸ばす」 独り勝ちフリマアプリ、電撃社長交代の理由

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小泉文明(こいずみ ふみあき)/1980年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2007年よりミクシィにて取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄。2012年に退任後、複数のスタートアップを支援し、2013年12月メルカリに参画。2014年3月取締役就任、2017年4月取締役社長兼COO就任(撮影:梅谷秀司)

――新サービスはどういったものになる見込みですか?

メルカリと同じCtoC(個人間取引)のマーケットプレイスだけど新しい切り口のもの、というイメージで複数用意している。場合によってはメルカリと連携させる部分があるかもしれない。

グーグルのビジネスを思い浮かべてみると、検索という非常に収益性の高い事業がある。でもそこだけにリソースを割くのではなく、その儲けを使って周辺領域でさまざまな挑戦をしてきたことで、あれだけの企業になった。メルカリもそうならなければと。

メルカリアプリ自体は国内外で順調に伸びているし、非常にアクティブに使っていただいている。次は、そこで生んだ収益を再投資して、さらに大きな成長につなげることで“ぽっと出”のベンチャーからグローバルに活躍する日本企業へと、ブランド力を高めたい。

「メルカリ」もまだまだ改善できる

――「この分野に投資しよう」というのは、どう判断していますか?

判断軸は二つあって、まずはメルカリの成長過程で蓄積したノウハウ、強みをきちんと生かせる分野かどうか。まったく違う分野に参入するのもいいかもしれないが、時間がかかるだろうし、勝率も下がってしまう。

もう一つは、人々のライフスタイルを大きく変えるサービスかどうかだ。メルカリは単純な売買の場というだけでなく、ユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われるプラットフォームになった。新規のサービスもせっかく投資するのだから、1000万人、2000万人に使われる、面白いサービスにしたい。

――既存のメルカリのサービスも、改善できる部分は多い?

社外の方からは「完成されたサービス」と言っていただくことも多いが、よくよく見ると、まだ提供できていない価値が結構ある。もっと人的リソースをかけられれば便利にできるところがあるのに……という感覚は持っていた。

今月新しいサービスとして発表した「大型らくらくメルカリ便」もその一つ。家具とか家電とか、大型のものはゴミとして廃棄するのにもおカネがかかるし、特に引っ越しシーズンにはメルカリでも売買のニーズが高まる。また、利用者が自分で配送を手配するのにもコストがかかる。今回はヤマトさんと組んで、そこをサポートできる仕組みを作ることができた。

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