ニューヨークダウの「2万ドル割れ」はあるか 「過去20年の値動き」から今後の株価を予測

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さて、ボリンジャーバンドとは、ひとことでいうと、「株価の勢いの変化」や「反転の目安、方向」を見るためのテクニカル指標です。株価の一定期間の売買コストをあらわす「移動平均線」と、標準偏差で構成されており、一定期間のデータの標準偏差であるシグマ(σ)は、いわゆる「平均価格」からのブレを示します。それらを算出し、移動平均線に対して、たとえば、シグマの1~2倍を加算したものをボリンジャーバンドの+1σ~+2σとして、減算したものをボリンジャーバンドの-1σ~-2σとして表示します。移動平均線の上下に、「価格の振れ」である標準偏差の帯(バンド)があるイメージです。

もし、今のような説明がわからなくても、以下のことをぜひ頭に入れていただければ大丈夫です。確率・統計から考えると、「±1σに収まる確率は約68.3%」「±2σに収まる確率は約95.4%」といわれています。つまり、簡単にいえば、「株価はどんなに上下しても、約95%の確率で、上下±2σの帯のところで収まる」といえるわけです。

NYダウが「+3σ」付近になったということは「売り」?

こうした確率・統計を活用し、たとえば、仮に株価が+2σのところに近づけば「過熱感が高まった!」と判断し、NYダウを売る。逆に、ー2σになれば、「割安になった!」と判断し、NYダウを買うなどの、「逆張り投資戦略」として使われたりしています。

ちなみに、上述の「±3σに収まる確率」 は約99.7%となっており、「より強い逆張りサイン」ということになります。つまり、+3σは「強い売りサイン」を発しているといえるわけです。

では、単純にNYダウを売ったほうがいいのでしょうか?

実は、ボリンジャーバンドは、逆張り指標として使われるときもあれば、順張りの指標としても使われたりします。逆張りと順張りは一見、逆の投資戦略のようにみえますが、どのように使い分けたらいいのでしょうか?

逆張り系の使い方はさきほど説明しましたので、順張り系で使う場合をみていきたいと思います。

たとえば、やや専門的になりますが、図を見るとバンドが細くなりつつあるような場所がときどきみられます(±2σの動き)。

こうした動きなどは、強いトレンド(方向性)が発生する直前の兆候ともとらえられます。つまり、いままで動きがあまり見られず、標準偏差のバンドが収束(しゅうそく)する中で、±2σの水準に到達するということは、なんらかの強いモメンタム(勢い)が発生している可能性が高い、ととらえるわけです。

さらに、±3σはどう読めばいいのでしょうか。これも一見逆説的に聞こえるかもしれませんが、『歴史的な水準』に達した後も、その動きが継続するというのは、短期の勢いだけではなく、「もしかしたら、長期のトレンドが発生している可能性があるのでは?」と考えるのです。

ということは、もし長期のトレンドが発生している場合、いったん株価が調整場面を迎えたとしても、その後、切り返しの動きを強め、逆張り的には過熱ゾーンといわれる+2σ~+3σの水準を維持しながらバンドに沿って、NYダウが上昇することも考えられます。

次ページ「逆張り」が正しいのか、「順張り」が正しいのか?
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