犯罪の9割は未解決
デトロイトの破綻を招いた最大の原因は、自動車という一つの産業に依存していたことだ。自動車産業が活況を呈していた1950年代には約200万人が住んでいたが、生産の海外移管などに伴う雇用減により、近年の人口は68万人にまで減っている。中間層の流出が税収減につながり、市の予算が削減されると、教育や公共サービスの水準が低下。さらに多くの人々が街を去る、という悪循環に陥っていた。
特に治安の悪化は深刻だ。米国のほかの大都市では殺人が減っているにもかかわらず、デトロイトでは今が過去40年間で最も高い水準となっている。犯罪の9割は未解決なうえ、警察官の減少によって緊急通報の出動にも平均58分を要する(米国の平均は11分)。街灯の4割は点灯しておらず、街には7万8000軒に上る廃家屋があり、これがさらなる犯罪を誘発している。
この記事は有料会員限定です
残り 753文字
