また、オバマ政権下では「10年間公的セクターに勤務すれば残りのローンはチャラにする」という制度が設けられたが、最近、このような取り決めの一部が否認され、ローンの完済を命じられるという事例も出てきた。
このように多額の借金を負って、バイトの時間も惜しんで日本の学生よりもはるかに勉強しても、米国では47%の学生が卒業に至らずに退学している。
安易に大卒のパスポートが受け取れる日本
一方日本では、大学を卒業できないという学生はわずか10%だ。日本は、所定の年数で卒業する学生の比率が、OECD諸国中で最も高い国の1つである。大学受験の段階で厳しいセレクションにさらされているという面もあるが、米国ほど勉強しなくても、たいていは"大卒"というパスポートは受け取れる。
米国のように、授業料の上昇とともに、教授側も競争を続け、それに伴い給料も上昇する国と比べると、日本の教育費用は上昇もせず、学校ごとの教育内容も平準化されている。最近は文部科学省の音頭により改革も進んでいるものの、いまだに、数十年間同じ講義ノートを棒読みする教授もいると聞く。日本では教育も"デフレ"が続いている。
一方、高度な学習機会を求めて借金漬けの学生生活を送る米国では、個人の借金過多が今後の経済の大きな足かせになりそうだ。日米どちらの教育が理想に近いのだろうか。正解はまだ見つかりそうにない。
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