6つの心理を突き「人をだます」恐怖の誘導術 マインド・コントロールはこうやって起きる
最初は相手に耳当たりのよい話題を持ち出すのが基本ですが、人によっては、相手が嫌がる話題や悪い話をガツンとぶつけ、追い詰めてしまったほうがよい場合もあります。最初から頭ごなしに「あんたの生き方は全然ダメだ! いったい何をやっているんだ!」と怒鳴りつけたら、かえって強く信頼される場合もあるというわけです。
つまりマインド・コントロールには、もともと対人カウンセリング的な要素があったり、相手によってやり方が異なったりします。逆にいうと、マインド・コントロールに長けた人物は、この相手にはどのやり方が効くかをいち早く見抜く力があるのです。
ですから、マインド・コントロールの被害者がどんなマインド・コントロールのテクニックを用いられたのかは、最終的には本人に聞いてみなければわかりません。どの手法が使われるかは、被害者の性格によっても、また被害者の考え方や気分の浮き沈みによっても異なります。相手の状態と使った手法がうまくマッチしたときは、マインド・コントロールがどんどん深まってしまいます。
カルト集団が使う「強迫観念」を植え付ける手法とは?
問題のあるマインド・コントロールを駆使されたときに生じる典型的な感情は、「強迫観念」と「依存心」です。
心理的テクニックの結果、詐欺同然の買い物をさせられてしまうだけの人もいれば、さらに進んでカルト的な集団にはまって抜け出せなくなってしまう人もいます。両者を分けるポイントこそが強迫観念と依存心ともいえるでしょう。
強迫観念は、マインド・コントロールを、「心理的萎縮」でなく「行動原理」につなげるために、なくてはならないものです。たとえば熱心な教育ママの子は「勉強しなければ。いい大学に入らなければ」が強迫観念になります。
読者のなかにも「いい大学へ入らなければ、父さんのようになっちゃうよ。ずっと安月給でいいの?」なんて四六時中お子さんに言っているお母さんは、いませんか。
ほどほどにしてほしいと思いますが、人間というものは、ある程度の強迫観念的な考えがなければ、行動を持続させるのが、なかなか難しいことも事実です。勉強でも仕事でもスポーツでもそうで、ただ楽観的なだけではうまくいかないでしょう。
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