ホワイトカラーでもロボットが同僚になる日 工場からオフィスへ!RPAとは何か

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ただし、オフィスに導入されるロボットは工場で働くような形のあるロボットではなく、ソフトウエアで作られたデジタルロボットだ。このロボットは人間と同じようにエクセルに文字を入力したり、ブラウザの画面を操作したりできる。ちなみに、デジタルロボットという言葉はあまり使わないのが普通で、一般的には単にRPAと呼んだり、RPAツールやRPAソリューションと呼んだりするのだが、ここではイメージがしやすい「デジタルロボット」という言葉を使うことにする。

超スピードで正確に動作するデジタルロボット

デジタルロボットの特長のひとつに「超スピード」がある。人間はマウスを動かしてからキーボードで入力をするまでの間に一定の待ち時間が発生してしまうが、デジタルロボットであれば一瞬で操作を切り替えることができる。文字を入力するスピードやマウスを動かすスピードも人間とは比較にならない。正確な比較はできていないが、体感的には人間よりも10倍程度、高速に動作するのではないだろうか。

また、デジタルロボットにはヒューマンエラーが存在しないため、正確な業務遂行が期待できる。日本語を扱う業務のオペレーションを海外に依頼すると、大きい「や」と小さい「ゃ」を間違えることも多いが、デジタルロボットであればそのような品質の心配はない。また、正確性を担保するために、二重三重のチェックを人間が行う必要もないのである。

デジタルロボットは人間と同じようにコンピュータ画面を操作することができる。そのため、現在使用中のシステムを大きく変更することなく効率化できる点もポイントが高い。細かい効率化はデジタルロボットで実現し、大きな効率化はシステム改修で対応するという切り分けも考えられる。

デジタルロボットは一般のユーザーが現場でカスタマイズして使うことを前提に作られている。カスタマイズはウィンドウズなどで動作する専用ツールを用いて行い、ある程度直感的に設定できるようになっている。

デジタルロボットを利用するには、作業用端末に専用ソフトウエアをインストールしたり、デジタルロボットをインストール済みのサーバー端末を購入、もしくはレンタルする必要がある。ロボットは24時間365日働き続けることが可能で、労働力が足りない場合はコピーすることもできる。中国などのオフショア(海外への業務アウトソーシング)でよくある「業務を覚えたところで辞めてしまう問題」や一般企業で問題となる「育てた派遣社員が労働者派遣法により3年でいなくなるリスク」もない。うまく季節業務にデジタルロボットを投入できれば、業務量を一定にコントロールすることもできる。

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