出光・創業家の対立がヒートアップする事情

「昭和シェルとの合併阻止」で訴訟に発展も

鶴間氏は、「どのように議決権を行使するか、具体的に検討してはいない」と慎重に言葉を選びつつ、対立した場合には「あらゆる方法を選択肢として排除しない」とする。創業家からは「話し合いによる円満解決」を求められているものの、プロクシーファイト(委任状争奪戦)に関して「(創業家の意向に)反するとは考えていない」と明言した。

出光経営陣も合併を実現させる努力はしてきた。昨年末に公正取引委員会の承認を取り付け、英蘭シェルから昭和シェル株3割強の取得にこぎ着けた。だが、最後のハードルである創業家を翻意させる手立ては打ち出せていない。

昭和シェルとの間では、合併に先行して製油所の相互活用・共同物流などの提携を進める案が検討されている。4月にも実行されるとの観測報道が出たが、その背後には、攻勢を強めてきた創業家側に対抗して合併賛成の世論を醸成したいという経営陣の狙いも透けて見える。 

訴訟になる可能性も

石油業界では、4月1日にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が合併してシェア5割超の巨人が誕生した。そんな中、合併作業はおろか、創業家との対立に労力を費やさなければならない出光、昭和シェル両社の焦燥感は募るばかりだ。

このままの状態で株主総会を乗り切っても、もはや創業家との溝が埋まることはないだろう。「話し合いの回数を増やして交渉を前に進めたい」と出光は繰り返すが、それでは何も解決しない。

合併を撤回するか、最後の手段として創業家の議決権を希薄化するため増資に踏み切るか。後者の場合、訴訟になる可能性が高く、経営陣は苦渋の選択を迫られている。

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