銀行マンの運命を左右する「地銀再編」の大波 今の乱立状態では人口減に耐えきれない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
従来のビジネスモデルはもはや通用しない(写真:(C)Kiyoshi Tanaka/orion/amanaimages)

地銀再編が加速している。

3月16日、新潟県首位の第四銀行と同2位の北越銀行が経営統合に向けて動いていることが明らかになった。

長崎に次いで出てきた県内1位、2位の地銀統合の動き。第四銀行と北越銀行が統合すれば新潟県内のシェアは5割を超す

その1週間ほど前、地域金融行政の第一人者である金融庁監督局の西田直樹審議官の姿は長崎にあった。長崎県内首位の十八銀行と同2位の親和銀行が進めている統合計画を受けて、地銀の経営統合に対する金融庁の考え方を県内の事業者に向けて説明するためだった。

3月8日に長崎で開いた説明会に登壇した西田直樹審議官。地元の企業関係者に金融庁幹部が説明に出向くのは異例だ

西田氏は説明会でこう述べた。「人口減少で貸出の市場規模が縮小していくと、地銀の安定的な収益確保が難しくなる。経営統合は、経営の効率化を通じて健全性を維持し、金融仲介機能を安定的に発揮していくための選択肢の一つ」。

その一方で、「銀行の自主的な経営判断を尊重した行政運営をしている。決して経営統合を推進しているわけではない」(西田審議官)とも強調したが、人口減少に耐えるビジネスモデルの構築を地方銀行各行に求めてきたことは事実だ。

地銀再編に3つのパターン

週刊東洋経済3月21日発売号(3月25日号)の特集は『銀行マンの運命』です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

週刊東洋経済は3月20日発売号(3月25日号)で『銀行マンの運命』を特集。全国で起こる再編や変革を迫る金融庁、フィンテック(ファイナンスとテクノロジーを合わせた造語)の大奔流など銀行マンの運命を左右する大波を追っている。

銀行界での再編は活発化している。第四銀行と北越銀行の統合交渉を含めると、地銀の再編が明らかになるのは今年に入って3例目だ。2月28日に三重銀行(三重県)と第三銀行(同)。3月3日に近畿大阪銀行(大阪府)、関西アーバン銀行(大阪府)、みなと銀行(兵庫県)の3行統合が発表されている。

次ページ足元で起きている地銀再編3パターン
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事