【完全保存版】東電株主総会、全議事録(2)

3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開

40年にも及ぶという廃炉作業の中で、日本中の有能な労働者をすべて被ばくさせてしまうのではないか、汚染水を貯める場所がなくなって、環境へ垂れ流してしまうのではないか、といった心配が尽きません。

このように廃炉作業がバタバタヨロヨロなのは、事故の大きさもさることながら、わが社が廃炉作業を本来業務として位置づけていないからではないでしょうか。これではいけません。わが社は原発は電気をつくるためにあるのではなく、廃炉にするためにあるのだと、意識改革をしなければなりません。そして、廃炉作業のプロフェッショナルを目指すのです。

世界中で原発は400基を超えています。できるだけ早くすべての原発が停止することを願いますが、いずれにしろ、どんな原発にも必ず廃炉の日は来ます。その時にはわが社のこの苦しい、苦い体験から培った技術を提供するのです。廃炉作業のプロフェッショナルとしての、より速く、より安全な作業をです。そうなれば重大な事故を引き起こし、世界中を不安に陥れたわが社ですが、存在意義を認められないとも限りません。この議案への皆様の賛同をお願いいたします。とりわけ東京電力従業員持ち株会の皆様、ご自分の働く会社を再生させるためにも、私たちの議案にご賛同ください。以上です。(拍手)

下河邉会長: 10号議案の補足説明、ありがとうございました。続きまして、11号議案についての補足説明ございますでしょうか。はい、よろしくお願い致します。

4095番・女性: 株主番号4095番です。第11号議案の補足説明をいたします。皆様、開催ご通知16ページをご覧ください。第11号議案は定款を一部変更して、発電部門を独立会社化する提案です。わが社は福島原発震災のために政府から3兆円以上の資金援助を受け、事実上の国有会社になっています。にも関わらず、原発事故の収拾もつかないまま、賠償の見通しも立っていません。その一方で、わが社は日本経済と国民生活を支えるために、電力の安定供給の義務も負っています。そのためには単価の高い老朽化した火力発電所の建て替えも必要だし、単価を安くする最新鋭の発電所建設を機動的に行うことが重要なのです。

しかし、先ほどから話も出ていますように、現状ではそういった資金調達も厳しい状況にあります。お金がないわけです。そして3.11以前から、国際的に高価格だった電力料金が更に値上げとなって、日本の経済に打撃を与えています。そういった現状の中、今後電力価格を国際的に適正な価格まで値下げしつつ、電力の安定供給を図るためにはどうすべきか、そこで第11号議案です。
 発電部門を複数の別会社に分離します。そして複数の発電会社が競争することによって価格を下げていきます。原発の立地している福島県と新潟県には、変電所などもともとの原発の設備を有効活用して、最新鋭の発電施設、例えばガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた原発の2倍も熱効率のいい天然ガス複合発電ですとか、石炭ガス化複合発電等を建設して、新しい発電会社を設立するのです。そしてこれらの発電会社は、将来上場させて売却して、損害賠償の支払いに充てていきます。

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