【完全保存版】東電株主総会、全議事録(2) 3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開
この議案の第一点目は、原子炉の設計や建設、設備、保守サービスなどが、福島原子力発電事故の原因に関係していたかどうかを調査するというものです。事故の原因はいまだに究明されていません。国会の事故調査委員会の報告書でも、さらなる調査の必要性が強調されています。事故を起こしたMARKⅠ型格納容器は、アメリカのGE(※ゼネラル・エレクトリック)社製です。が、その安全性は1972年からアメリカの原子力委員会などによって問題視されてきました。原子炉を最も熟知しているメーカーなどのサプライヤーが事故につながる原因をどれほど把握し、そして取り除いていたかということは、事故の原因とそして責任を究明するうえで、極めて重要です。そしてその調査の鍵となる情報を最も多く持っているのは当社です。原因究明は事故の再発防止のためにもちろん不可欠であり、そして当社は当事者として調査を進めていくべきです。
この議案に対する会社側の反対理由を見ますと、そこには原因について調査いたしますと書いてありまして、会社側の方針とも矛盾いたしません。株主の皆様もぜひ賛同をお願いいたします。そして調査の結果、原子炉などが事故の原因に関与していた場合には、メーカーなどに対してどのように賠償を要求できるかを調査するというのが、議案の第二点目です。これもメーカーとの契約をはじめ、当社が最も多く情報を持っている点です。
今、当社のみが賠償金をお支払いしています。しかし被害を受けた方々の生活再建のためには極めて不十分な額です。一方、賠償のために莫大な税金の投入とか、そして電力料金の値上げなど、大きな国民負担をお願いしております。今後国民負担をさらに重くしていく前に、まず事故の原因に関係した人たちに相応の賠償責任を負担してもらうべきです。(拍手)ありがとうございます。
実は、原子力損害賠償支援機構を設置する法律が成立した時、国会では賠償の迅速かつ適切な実施のため、わが社が利害関係者に対しても協力を求めるということや、国民負担を最小するということが、この法律の附則に明記されています。つまり、メーカーの責任や賠償請求の可能性を調査するということは、法律の求めにも合致するのです。
以上のことから、株主の皆様、そして最大株主である原子力損害賠償機構は、法律の求めに従い、ぜひ第12号議案にご賛同お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
下河邉会長: 12号議案の補足説明、ありがとうございました。続きまして、13号議案につきまして補足説明いかがでございますか。はい、よろしくお願いいたします。
6886番・女性: 6886番です。13号議案、報酬等の個別開示についてご説明いたします。総会開催通知19ページをご覧ください。
私は11年前、わが社が安定しかつ高配当であると証券会社に勧められ、生まれて初めて株というものを買いました。その優良なわが社が世界中を恐怖に陥れるとは夢にも思いませんでした。そのような私が、今この場に立たざる得ないほど、あの原発事故は悲惨なものでした。自分自身のあり方、また株主責任を問うのはもちろんですが、わが社の取締役は豊富な経験、見識、能力を持ち、多くの報酬を手にしながら、何をしてきたのでしょうか。
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