【完全保存版】東電株主総会、全議事録(2) 3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開
脱原発株主からの20年に渡る警告を無視し、また自らの信念に忠実であった研究者、技術者たちを遠ざけ、その結果、これほど過酷な事故を起こしたのです。その揚げ句、一切責任を取ろうとしない歴代の取締役に深い憤りを感じています。現在、わが社の現旧取締役は、原発震災の損害5兆5,000億円を会社に支払い、それを損害賠償に充てるよう株主代表訴訟を起こされています。このように重責を担い、株主から経営を任されている取締役が、それに見合う報酬を受けているかどうか、株主は個人別に判断する必要があります。
事故後の株主総会で株主から、あなた方個人の考えを聞かせて欲しいと訴えましたが、どなたも答えることがありませんでした。あなた方は取締役会という一つの集団でしかないのです。一人一人が存在していないのです。だから反省して身を引いたはずの方が、めでたく天下りしたりするのです。許せません。
私たちは報酬の個別開示によって、個々の取締役が責任を自覚し、その能力を発揮しやすくなると考えています。ですから議案反対理由として、それぞれの総額を開示しており、経営にかかるコストの開示として十分であるというのは、全く見当違いです。また取締役の中には、重要な兼職を持つ方がいます。ならばなおのこと報酬決定の過程と結果は、個別に開示されるべきです。経営の透明性を確保し、説明責任を果たすその象徴として、個別開示としていくことを提案いたします。株主の皆様のご賛同をお願いします。以上です。
下河邉会長: 13号議案の補足説明、ありがとうございました。(拍手)
続きまして、14号議案の補足説明いかがでございますか。はい、お願いいたします。
2646番・女性: 2646です。開催通知の19ページをご覧ください。14号議案、取締役および執行役の報酬等の減額という提案について趣旨説明いたします。
まずはじめに、現在の役員報酬多過ぎないですか。(拍手)今や国民の血税を大量につぎ込まれて再生を図られている東電の取締役が、一人平均年間3,000万を超える給料を受け取っているなんていうことを世間が納得すると思いますか。まずもって庶民の金銭感覚を知るためにも、今の10分の1にすることを提案いたします。(拍手)
そもそも現在の役員たちは、天下の東電再生のために投入された選りすぐりのお偉いさんでいらっしゃいます。そんな誉れ高い役職に報酬など必要でしょうか。(拍手)お金という報酬のないところで働く爽やかさを、ぜひ役員の皆様には体験していただきたいと思います。(拍手)
次に旧役員たちの多くは、株主代表訴訟の被告となっているわけですが、高額の報酬は福島第一のような過酷事故を起こさないために、あらゆる事態を想定して、事前に安全対策を講じる責任の対価として支払われてきたのではないでしょうか。取り返しのつかない事故を起こしてしまったからには、会社としてもさかのぼってこれまでの報酬を返上させるのが筋ではないでしょうか。(拍手)そして、その返納金はそっくりそのまま直ちに被害者への賠償金として支払うべきです。(拍手)
最後に檀上の役員の皆様方に素敵なお仕事の提案をしたいと思います。簡単なことではありますが、皆さまにしかできないというより、皆さま方にこそふさわしい素晴しいお仕事です。それは、「もう原発は駄目だ」と一言本音を言うだけです。(拍手)そうすれば人々は悔しさを噛み締めても前に進むしかないんですから。現実を正面からしっかり受け止めて、新たな歩みを始めていくでしょう。そういう新しい価値観に向けて舵を切ることが、皆さまにはできるのですから。どうかご決断をいただきたいと思います。以上です。(拍手)
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