【完全保存版】東電株主総会、全議事録(2) 3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開

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(撮影:尾形 文繁)

(5801番・男性の続き) しかし詳細な情報がない中では、リプレースすべき発電所の優先順位を決めることや、採算性を考慮した事業計画を立てることは困難でありまして、リプレースの実現可能性などを第三者が検証しようとしてもできない状況にあります。詳細な経営情報が開示されれば開かれた中で議論ができ、より優れた方策を生み出すことが可能となります。そこで定款に経営の透明性を確保することを盛り込み、詳細な経営情報を開示することについて提案をいたしました。

株主の皆様には本議案にご賛同をお願いする次第であります。以上でございます。(拍手)

下河邉会長: 第7号議案の提案株主であります東京都様、補足説明ありがとうございました。 それでは続きまして、348名の株主様からのご提案である第8号から第16議案を上程いたします。第8号から第16議案の内容およびその提案の理由は、開催ご通知の14ページから17ページ、および19ページから22ページに記載の通りでございます。提案株主様から補足すべき点がございましたら、各議案につきまして、それぞれ3分以内で補足説明をお願いいたします。いかがでございましょうか。はい、よろしくお願いいたします。

1704番・女性: あのう、趣旨説明の前に、事前質問に対するご回答はいついただけますか。

下河邉会長: 後ほどこれに続きまして、事前にご質問いただいていることにつきましてはですね、担当の副社長のほうから、それぞれ一括してご説明を申し上げますので、まず提案議案についての補足説明のほうをよろしくお願いいたします。

1704番・女性: どうしても最初にいただくわけにはいきませんでしょうか。
下河邉会長: 議事の、本日の総会の議事の進行上、お尋ねでございますが、そのような形で進行させていただきますので、何とぞご了解くださいませ。

1704番・女性: ま、例年は先に回答いただいたように記憶しておりますが、そのようであれば満足はいたしてませんが、趣旨説明に入らせていただきます。
 私は福島第一原発からほど近い福島県、●●と言います。番号は1400…失礼しました。1704番です。私は福島第一原発からほど近い福島県双葉郡浪江町の住民です。3.11の東京電力福島原発事故の後、当時の福島県双葉郡民の避難者のことを、どのぐらいあなた方の心に残っていますか。原子炉事故の状況下で自分たちの現場対応のことしか覚えていないでしょう。そして、われわれはこれだけ努力し頑張ったのだ、と慢心していませんか。

私たち住民は、建設時からずっと地震と津波を心配してきました。貞観地震の資料とともに、何度もお願いいたしました。そして住民にあなた方が言ったのは、「ここは磐城の国といわれるところ。地盤が堅牢で地震には強い」でした。2011年は1,000年に1回といわれる地震だった。自然災害で原子炉はやられたという言い訳は、大企業として、企業人として、あまりにも責任放棄の欺瞞に満ちた言葉です。社会正義は微塵も感じられません。

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