ラケッティさんはさらに「アメリカは過去28年間、たった3つの家族によって動かされてきた。ブッシュ家12年、クリントン家8年、オバマ家8年。もしヒラリーが大統領になっていれば、32〜36年間アメリカは3家族によって動かされることになる。これは民主主義の国といえるか、ノーだ。王朝じゃないんだから」と語気を強めた。複数の支持者たちから、政治家はその地位を維持する為に必死であるという声も聞かれ、なじみの顔ぶれにも「チェンジ」を求める支持者の思いがうかがえた。
ハワイの支持者たちは、オバマ前大統領をどう見ているのだろうか。日系2世のリー・タカラさん(42)は「オバマは本当にひどかった。オバマに感謝するとすれば、あのひどい政治のおかげでトランプ大統領が誕生したということ。オバマがもっとまともだったら、もっと多くの国民がヒラリーに投票したはずだから」と話す。
多くのトランプ支持者からは、オバマ前大統領の在任8年の間に国の借金が大きく膨らんだことを嘆く声が聞かれた。2008年のリーマンショックからの回復のために財政収支の悪化が不可避だったことは考慮すべきかもしれないが、いずれにせよトランプ支持者たちのオバマ前大統領に対する評価は一様に厳しいものだった。
そもそも無理筋だったオバマケア
医療保険制度改革「オバマケア」については、政府の負担が大きすぎてそもそも無理があるとの声が多く聞かれた。では財源の問題をクリアすればどうかと尋ねると、「民主党は手厚くサポートしようとするが、行き過ぎ。このままでは共産主義に向かってしまう。アメリカは政府からの押しつけではなく、選択する自由、フリーダムとリバティを求めているんだ」と答える支持者もいた。実にアメリカらしい考え方ではないだろうか。
ハワイの支持者たちが求めていたのも、やはり「チェンジ」という言葉に集約されるだろう。かつては繁栄したサトウキビやパイナップルの産業も他国にお株を奪われ衰退し、今や観光業に頼るしかないハワイ。景気の影響を大きく受ける観光業を支え、ホームレスがあふれかえるハワイを立て直すにはアメリカ経済の回復が喫緊の課題であり、トランプ氏が最後の砦なのだろう。「今はトランプを見守ってチャンスを与えてほしい。もしダメだったらそのときは自分たちもノーをたたき付けるから」という支持者の言葉が心に響いた。今後も支持者たちの話に耳を傾けていきたい。
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