日経平均株価は、いよいよ「2万円突破」へ 当面の上値はどれくらいになるのか
まず、いったん昨年(2016年)の日経平均株価を振り返ってみよう。2016年2月と同6月は一時1万4952円(終値ベース)まで下げ、チャートでは二つの底(ダブルボトム)を形成した。
実はその2つの安値よりも重要なのが、二つの底の間につけた同4月の高値1万7572円と、その「戻り幅」となる2620円だ。この水準が、「売り方」(売りで儲けようとする勢力)と「買い方」がにらみあういわば「分水嶺」のようなものである。仮に水準を上回ると、買い方の「勝ち」になる可能性が高まる。その場合、売り方は株を買う必要に迫られるため、この買い戻しを巻き込みながら上昇する。
当面の上値は2万0192円
不思議なことに、上げ幅は、この分水嶺の分、2620円と同じくらいになることもある。従って、上値のメドの一つとして、2万0192円(=1万7572円+2620円)が想定される。
2017年以降、信用の売り残が増えている。3月3日申し込み時点では9584億円と、足元の1年で2倍近くまで膨らんだ。「トランプショック」といわれた急落局面である2016年11月を起点にすると、信用取引の6カ月期日を迎えるのが2017年5月上旬。今後はこうした信用売り勢力の「買い戻し」が相場を押し上げることも考えられる。
一方、「二つの買い勢力」も、相場を下支えしそうだ。まずは、日銀の上場投資信託(ETF)の買いだ。日銀のETF買い入れ額は年6兆円とされており、「月当たり5000億円」の買い入れが目安となる。2017年1月に計5624億円(計8回)、同2月も計4927億円(計7回)と買い入れしている。ただ、3月は724億円(1回)にとどまっている。3月後半にかけて、買い入れを入れてくる可能性もありそうだ。
次に、3月期末を本決算とする企業に対しての、株式の権利配当取り狙いの買いだ。日経平均株価の平均配当利回りが1.6%前後で推移するなか、代表的な高配当利回りの医薬品株や銀行株等は3%台半ばに達する。また今年は増配企業も多く、個人投資家による配当狙いの買いを集めやすい。権利付き最終日の3月28日までは、底堅い展開が想定される。日経平均の2万円台回復も、いよいよ視野に入りそうだ。
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