読売新聞「OTEKOMACHI」は何がスゴイのか 読売新聞が進めるデジタルシフトとは?
――はじめに、「ワンストップ営業体制」とはどういうものですか?
従来は、デジタルはデジタル、新聞は新聞と完全に社内で営業部隊が分かれていました。しかし昨今、クライアントからは総合的なソリューションの提案を求められるようになってきました。従来の営業体制ではお客さまがやりたいことに合わせていけないため、紙もデジタルも一緒に売っていくことになったのです。そのような営業局の新体制を「ワンストップ営業体制」と呼んでいます。
新聞広告スタッフの意識変革が最優先
――新体制の構築は、大変な手間がかかったのでは?
まずは、新聞広告スタッフの意識変革が最優先だと思い、デジタル知識を身につけるための教育を行ってきました。さらに、営業局にデジタルに精通したメディアデザイン部(以下MD部)を設置し、商品開発やプランニングを行っています。
――MD部は具体的にどんなことをやっているのでしょう?
MD部にはデジタルに精通した専門の人間もいれば、従来の「別刷り広告」を専門としている人間もいます。ワンストップ営業といっても、すべての担当者がすべての分野に精通することはできないため、MD部のスタッフが最適な広告フォーマットを開発します。読売新聞のリソースを活用した新しい商品を開発する部隊と考えてもらえればいいと思います。それを営業スタッフが売るわけです。
たとえば、グループ企業である中央公論新社の中公ムックと新聞広告のパッケージや、読売日本交響楽団の会場でのサンプリング配布と新聞広告のパッケージがいい事例といえるでしょう。ここでは、もちろんデジタルと紙媒体とのパッケージも行います。なお、現在のMD部は15名で構成されています。