あの人が、指示しても動かない「本当の理由」 「一緒にやる」のひと手間が、成果につながる
「誰がやってもいいということは、誰もやらない危険があるということ。特に、お互いに信頼関係のある『仲のよい先輩・後輩』で仕事をするときほど注意が必要です。『あの子ならきっとやってくれているだろう』という信頼が裏目に出て、ミスが起こってしまうことがあるからです。以前、こんなことがありました。到着便に車いすのお客様がいらっしゃるという情報が入ってきました。対応する係員の配置が必要でしたが、その場で複数の係員と情報を共有できたため、私は誰かが当然対応するだろうと思っていました。ところが、直前に確認したところ、ほかの係員も『誰かが対応するはず』と思い込んでいて、危うくお客様をお待たせするところでした」
誰がやってもいい業務ほど、任せる側が担当者をしっかり決める。それによって責任が生まれます。
CAの場合であれば、「化粧室の清掃」は、本来気づいた人が気づいたときにやる業務です。これを「○○さんを、化粧室清掃リーダーに指名します」と宣言した途端、「みんなでやる仕事」から「私がやる仕事」に変化するのです。
なお、やることがたくさんあったり、メンバーが多くて仕事が複雑だったりする場合は、「担当者」「期限」「範囲」をまとめた表をエクセルでつくって、全員で共有すると便利です。
後輩の積極性を引き出す
このように先輩の側が「担当者」「期限」「範囲」を指定するやり方以外に、担当者を募って、自分で仕事の期限や範囲を考えてもらうという方法も有効です。グランドスタッフの上部は、その事例を次のように説明します。
「通常業務でも『誰か手伝ってくれる人、いますか?』『やってみたい人、いませんか?』と、必ず声をかけています。先輩の側はついつい『できる人』『経験がある人』を指名しがちなので、経験の浅いメンバーは指名されづらく、経験が積み上がりません。そのため、こういった声かけを行うことで後輩の積極性を引き出すのです」
いずれにしても、メンバーに指示どおりに動いてもらうには、「誰が、何を、いつまでにやるのか」を明確にすることが大切なのです。
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